ドッグフードには、多くの添加物が使用されていることは、ほとんどの飼い主は知っている事実です。では、添加物が使用されている理由や添加物の種類について考えたことはありますか?
本記事では、ドッグフードに使用されていることが多い添加物を細かく解説していきます。
目次 -INDEX-
ドッグフードに添加物が使用される理由
- 足りない栄養を補うため
- 色味や風味をつけ食いつきをよくするため
- 保存のため・腐らないようにするため
- 加工するため
- 安定して供給するため
ドッグフードに添加物が使用されていることは誰でも知っていることですが、なぜ添加物が使用されているのでしょうか?
ドッグフードは総合栄養食として栄養バランスが調整されていますが、じつは原材料だけでは栄養成分が不足する可能性があります。そのため、不足している栄養を補う目的でミネラルなどの添加物が使用されます。
また、犬の食いついきをよくするために、色味や風味をつけることがあるでしょう。さらに、ドライフードなど長期間の保存が可能になるように、防腐剤なども使用されています。ドッグフードの安定供給と加工しやすくするという目的でも、使用されています。
現在のドッグフードの添加物を使用する基準と制限
アメリカではAAFCO (米国飼料検査官協会)、ヨーロッパではFEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)の厳しい基準を順守し、ドッグフードの生産が行われています。世界的にはAAFCOの基準を採用している国が多いといえるでしょう。
じつは日本は、2009年にペットフード安全法が施行されるまで、ドッグフードに関する規制がない状態でした。
日本では2009年にペットフード安全法を施行するにあたり、ペットフードに関する添加物などのデータが不足していたためAAFCOの基準を採用し、添加物の使用に関する制限が実施されています。ただ、日本のペットフードへの添加物の使用制限に関する規制は、アメリカやヨーロッパと比較すると緩やかだという指摘もあります。
ドッグフードの添加物は2種類にわけられる
ペットフード安全法の施行後、添加物は2種類に分類されています。ひとつは化学的に作られた合成添加物、もうひとつはハーブなどの天然素材に由来する添加物といえるでしょう。
本章では、合成添加物と天然由来の添加物を詳しくみていきます。
合成(人工)添加物
合成添加物とは、化学反応を利用しおもに石油製品を原料として人が自然界にある物質と同様な物質を意図的に生成したものです。
合成添加物は自然界には存在せず食品添加物として使用される場合は、安全性を確認したうえで使用の上限が定められています。
天然由来の添加物
天然由来の添加物は、自然界にみられる動物・魚介類・植物・鉱物・微生物の副産物などから抽出するなどの技術を用いて作られています。
天然由来の添加物の原材料は、すべて自然界に存在しているものといえるでしょう。
ドッグフードに含まれると危険な添加物
ドッグフードにはさまざまな目的で、多くの添加物が配合されています。
本章では、ドッグフードに配合されている添加物の中でもとくに気を付けてほしい添加物を解説します。
気をつけるべき危険な添加物①「BHT」と「BHA」
ドッグフードでは、「BHT」と「BHA」を酸化防止剤として使用していることがあります。犬は人よりの体重あたりのカロリーを多く必要とする動物のため、ほとんどのドッグフードでは油脂類を多く使用する傾向にあるといえるでしょう。
一般的に油脂類は時間の経過とともに酸化し品質が劣ってしまい、生産当初の品質を保つことができなくなります。
酸化防止剤はドッグフードの品質保持のために、必要な添加物です。「BHT」と「BHA」は酸化防止効果が非常に高くドッグフードに使用されることがありますが、現在はエトキシキン・BHA・BHTの総量で150ppm以下という制限が設けられています。
気をつけるべき危険な添加物②エトキシキン
エトキシキンは、酸化防止剤としてドッグフードに使用されている場合があることを知っていますか。ただ、エトキシキンは食品衛生法では人には使うことができない添加物となっているにもかかわらず、動物飼料への添加は容認されている危険性の高い添加物といえます。
エトキシキンは、ペットフード安全法で「BHT」と「BHA」とともに少量で150ppm以下と制限されていますが、人には使えない添加物が動物用飼料に使用されている可能性があるという現状には変わりありません。
気をつけるべき危険な添加物③亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは、食品の発色を鮮やかにし保持する役割を持った添加物です。人用にもハムやたらこなどに使用されており、ボツリヌス菌などの細菌の活動を阻害する効果が期待できるため保存料としての役割も持っています。
日本人は彩を大切にすることから、ドッグフードでは発色剤として使用されることが多いといえるでしょう。ただ、厚生労働省は、亜硝酸ナトリウムの大量摂取による発がん性を懸念し、ドッグフードへの使用をドッグフードでの残留基準値が75ppm以下に規制しています。
気をつけるべき危険な添加物④プロピレングリコール
プロピレングリコールは、ウェットタイプのドッグフードに保湿剤として使用されています。プロピレングリコールは、無味無臭で人に対する毒性はありません。
ただ、犬への使用は安全とされていますが、アメリカでは犬が大量に摂取することで嘔吐や下痢など軽度もしくは中度の中毒症状を起こすリスクがあるとされています。
また、プロピレングリコールは、猫が摂取することで貧血などの重篤な症状が現れるためキャットフードへの使用は禁止されています。
気をつけるべき危険な添加物⑤ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは世界でも古くから使用されている合成添加物で、細菌やカビの増殖を抑える働きがあるため防腐剤として人の食品の添加物としても使用されています。
ソルビン酸カリウムは、アメリカでも多く使用されており安全性が高い合成添加物として、ソルビン酸カリウムの使用の上限は設けられていません。
一部では、ソルビン酸カリウムと亜硝酸ナトリウムが体内で結合することにより癌が発症するリスクが高まるといわれていますが、内閣府食品安全委員会の見解では特殊な条件下で起こりやすくなる事象とされています。
気をつけるべき危険な添加物⑥グリシリジン・アンモニエート
グリシリジン・アンモニエートは客観的なデータに基づく安全性が確認されていない合成添加物として、人の食品などへの使用が禁止されている添加物です。
人用の添加物としては認められていないグリシリジン・アンモニエートですが、ドッグフードでは甘味を好む犬の食いつきをよくするためと長期間の保存ができるように保存料としての効果の両面を持つ添加物として使用されていることがあります。
グリシリジン・アンモニエートは成分などが不明な添加物のため、グリシリジン・アンモニエートを使用しているドッグフードは避けた方がいいでしょう。
気をつけるべき危険な添加物⑦着色料
おもに日本で使用されている着色料は、石油製品を原料としたタール系の合成添加物です。タール系の着色料のなかには、アメリカやカナダ、ヨーロッパの一部の国では食品への使用を禁止しているものがあります。
日本では、現在基準値を超えない場合は使用が認められているタール系の着色料ですが、発がん性などのリスクが認められていることは事実といえるでしょう。
タール系の着色料は、見た目のきれいさからおやつやドッグフードにも使用されています。
天然由来の添加物とはどんなものがある?
天然由来の添加物は人の手によって化学的に合成されていない成分で、抽出などの技術によってつくられています。
現在、食品添加物では天然添加物という基準は設けられておらず「既存添加物」「一般飲食物添加物」に分類されています。
本章では、ドッグフードに使われている天然由来の添加物を紹介します。
天然由来の添加物“着色料”
- βカロテン
- カラメル色素
- ビートレッド
天然由来の添加物の中で着色料としてドッグフードに使用されていることが多いものは、βカロテン・カラメル色素・ビートレッドなどです。
βカロテンは、自然界に生息するニンジンやトマトなどに含まれるカロテノイド系の色素になります。カラメル色素は、砂糖などの糖類を熱処理して作られていることは知られていますよね。さらにビートレッドは、ボルシチの材料としても知られているアカザ科のビートという野菜から抽出される色素です。
天然由来の添加物“酸化防止剤”
- ローズマリー抽出物
- トコフェロール
- クエン酸
天然由来の酸化防止剤としてよく知られているものは、ローズマリー抽出物・トコフェロール・クエン酸でしょう。
ローズマリー抽出物は、ハーブとして知られるローズマリーの乾燥させた葉から抽出されます。トコフェロールはビタミンEのひとつの種類のことで強い抗酸化作用があり、おもに野菜などに含まれています。
クエン酸は健康にも欠かせない成分として知られており、酸化防止効果が期待できます。とくにビタミンEであるトコフェロールやビタミンCと併用することで、更なる効果を引き出すことができるでしょう。
ドッグフードを選ぶ時に気をつけたいこと
愛犬に与えるドッグフードを選ぶとき、できるだけ愛犬の健康を害さないものを選びたいですよね。
本章では、愛犬のためにドッグフードを選ぶときにとくに気をつけたいポイントを解説します。
不要な添加物が入ってないものを選ぶ
添加物には合成添加物と天然由来の添加物があります。ドッグフードには、合成添加物もしくは天然由来の添加物が使われている考えられるます。
ただ、現在はドッグフードに使用されているミネラルやビタミン類などのサプリメントの成分も、添加物に分類されています。
そのため、ドッグフードを選ぶときは、原材料表をチェックしどのような添加物が使用されているのかを確認し、できるだけ不必要な添加物が配合されていないものを選ぶようにしましょう。
ヒューマングレードのドッグフード
ドッグフードに使用されている原材料には、さまざまなグレードがあります。粗悪なドッグフードの場合、どのような原材料を使用しているのかがはっきりわからない場合もあります。
安心して愛犬に与えることができるドッグフードの原材料には、生産地や生産者がはっきりわかる素材が使われていることが大切です。
さらに、人が食べることができるほど安全性の高い、ヒューマングレードの原材料を使用しているドッグフードを選ぶようにしましょう。
原材料をチェックする
ペットフード安全法の施行により現在日本で販売されているドッグフードには、原材料と成分表を必ず表示しなければなりません。そのため飼い主は、愛犬が食べているドッグフードに使われている原材料を確認することができます。
原材料名の表記は、使用されている分量が多い原材料から記述されています。つまり、原材料表の最初に記述されている原材料名が、最も多く使用されている原材料ということになります。
添加物が気になる飼い主さんにおすすめのドッグフード
ドッグフードを選ぶときいつまでも健康に過ごしてほしい飼い主としては、できるだけ体に良いものを選びたいですよね。
本章では、とくにドッグフードに含まれる添加物が気になる飼い主のために、おすすめのドッグフードを紹介します。
おすすめドッグフード①このこのごはん
価格 | 3,850円(税込) |
内容量 | 1㎏ |
添加物 | 合成添加物不使用 |
原産国 | 日本 |
対象月齢 | 全年齢対応 |
このこのごはんは、愛犬に飼い主と同じように安全性の高いフードを与えたいという願いから作られたドッグフードです。そのため、このこのごはんは、原材料にこだわり全てヒューマングレードのものが使用されています。
さらに、多くのドッグフードに使われている酸化防止剤や保存料を使わないことで安心して愛犬に与えることができるドッグフードとなっています。このこのごはんは毎日食べても飽きない食いつきの良さを実現し、バランスよく栄養素が配合されているといえるでしょう。
おすすめドッグフード②安心犬活
価格 | 3,795円(税込) |
内容量 | 800㎏ |
添加物 | 合成添加物不使用 |
原産国 | 日本 |
対象月齢 | 全年齢対応 |
安心犬活は、国産の牛肉・鶏肉・馬肉・魚類・豚レバーをタンパク質源にすべてニューマングレードの原材料を使用しています。
安心犬活は、アレルギー対策として添加物を一切使用しないことだけではなく、1種類だけではなく複数種類のタンパク質源を使用しています。
もちろん安全性を考慮し、合成添加物だけではなく天然の酸化防止剤や保存料は一切使用されていません。そのため、安心犬活は賞味期限が短く、開封後はできるだけ早く食べきるようにしましょう。
おすすめドッグフード③モグワン
価格 | 4,708円(税込) |
内容量 | 1.8㎏ |
添加物 | 合成添加物不使用 |
原産国 | イギリス |
対象月齢 | 全年齢対応 |
モグワンは、愛犬の健康を考慮し、ヒューマングレードの安全で安心な原材料だけを使って作られています。とくに、モグワンでは合成添加物を使わず素材そのものの良さを引き出すために、香料や着色料も使用していません。
モグワンでは、タンパク質そのものの匂いがするため香りがきつい・季節によってフードの色が違うということがあります。人工的な着色料や香料が使われていない、モグワンならではといえるでしょう。
おすすめドッグフード④うまか
価格 | 5,478円(税込) |
内容量 | 1.5㎏ |
添加物 | 合成添加物不使用 |
原産国 | 日本 |
対象月齢 | 全年齢対応 |
うまかは福岡で有名な老舗の水炊き料亭「博多華味鶏」が、自社ブランド鶏である華味鶏を主なタンパク質源として使用しているこだわりのドッグフードです。
うまかはすべての原材料を国産のものを使用することで安全性を確保し、着色料などの添加物を使用しない安全性の高いドッグフードといえるでしょう。
うまかは、栄養バランスの整った総合栄養食としてとくにおすすめのドッグフードといえます。
おすすめドッグフード⑤カナガン
価格 | 4,708円(税込) |
内容量 | 2㎏ |
添加物 | 合成添加物不使用 |
原産国 | イギリス |
対象月齢 | 全年齢対応 |
カナガンは、高タンパク質で犬の健康を考えて作られたドッグフードです。カナガンは、素材そのものの香りや色調を大切にし、余分な合成添加物は一切使用していません。カナガンの少し強いと感じる香りは、素材そのものの香りのため食いつきもよいといえるでしょう。
また、カナガンは、マリーゴールド・カモミールなどのハーブ・ミネラル補給のために海藻を使用していることも特徴です。もちろん、小麦アレルギーなどの食物アレルギーに考慮し、グレインフリーのドッグフードとなっています。
愛犬のために不要な添加物を使っていないドッグフードを選ぼう
日本では、厳密にいえばサプリメント成分も添加物に分類されています。そのため、全く添加物を使用していないドッグフードはないともいえるでしょう。
大切なことは、「今愛犬が食べているドッグフードにはどのような添加物が使用されているのか」を飼い主がしっかり把握することです。愛犬のためにドッグフードを選ぶときは、不要な添加物を使っていないフードを選ぶことが大切です。