犬のダイエットに「かさ増し」が有効な理由!すぐ始められる方法も紹介します!

犬 ダイエット かさ増し

愛犬が太ってきて、ダイエットさせたいと思うことはありませんか。肥満は、1日に必要な摂取エネルギーを越えた食事を続けることが原因といわれます。

食べなければ痩せていきますが、犬が健やかにすごすためにはタンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルが必要です。愛犬には、健康も考えたバランスよい食事を摂りながらダイエットさせたいですよね。

本記事では、犬のダイエットに有効といわれる「かさ増し」について考えてみましょう。

犬のダイエットに有効な「かさ増し」とは?

犬のダイエットに有効な「かさ増し」とは?

犬のダイエットはさまざまな方法がありますが、ゆるやかに体重管理ができる方法として人気のダイエットが「かさ増し」です。食べることは犬の大切な楽しみのひとつなので、急激なダイエットをすると愛犬のこころと身体に無理がでてしまい、返って体調を崩しかねません。

食べる満足感を得られやすい「かさ増し」ダイエットで、愛犬の健康を守ってあげましょう。

犬のかさ増しダイエットとは?

犬のかさ増しダイエットとは、食事のボリュームは保ちながらカロリーを抑えた食事を摂るダイエットのことです。「食事量を減らさないでゆるやかに体重管理をしていける」という特徴があるので、愛犬のストレスを減らし健康的にダイエットがすすめられます。

具体的には、ドッグフードをふやかしたり、低カロリーの食材をフードにトッピングしてかさ増した食事を続けます。数ヶ月の長期計画を立てて、かさ増しダイエットを行うと効果的です。

適正体重を維持する重要性を考える

愛犬の体重増加を心配している飼い主さんは、多いですよね。適正体重に対して体重が15%以上増加していたら、肥満の可能性があります。

肥満の状態になると、関節に負担がかかることで起こる関節症を悪化や心肺機能の影響による高血圧の原因となります。犬は自分では健康状態がわからないですから、ダイエットが必要か判断するのは飼い主さんの大切な役割です。

愛犬が急に太ったり食欲がおちても体重が増える場合は病気の可能性もありますので、定期的に体重測定して適正体重を維持してあげたいですね。

すぐに始められるかさ増しダイエットの方法3選

すぐに始められるかさ増しダイエットの方法3選

かさ増しダイエットを始める方法は、簡単です。本章では、すぐに始められるかさ増し方法を紹介します。

ダイエットは、愛犬の健康状態を確認してからはじめましょう。体調がよくないときは、太っている原因が病気の可能性もあります。

体調不良以外にも去勢・避妊をしたりシニア犬で運動量が減ってくると太りやすい傾向があるので、考慮しておくとリバウンドのないダイエットがはじめられます。

すぐに始められるかさ増しダイエットの方法3選
  • ドライフードを水またはぬるま湯でふやかす
  • 低カロリーの食材をトッピングする
  • 低カロリーのウェットフードをトッピングする

ドライフードを水またはぬるま湯でふやかす

はじめに紹介する「かさ増し」は、ドライフードを水やぬるま湯でふやかす方法です。いつも食べているドライフードに、水を混ぜることでカロリーを増やさずかさ増しできます。

ふやかす水の量はお好みでよいのですが、熱湯を使うとドッグフードに含まれた水溶性ビタミンが破壊されてしまうのであまりおすすめできません。ドッグフードのふやかし方は、15~30分ほどぬるま湯に浸しておくことが一般的です。ただ、時間がないときやふやけにくい場合は、ドッグフードをあらかじめ砕くなどして細かくしておくと時短になります。

メリットとデメリットを紹介

ドッグフードをふやかすメリットは、水分摂取量が増えることと胃腸の負担を減らして消化吸収がよくなることです。やわらかくすることで子犬や老犬も安心して食べられるだけでなく、フードの香りが立ちやすいので食いつき改善にも効果があります。

一方デメリットは、ふやかすのに手間と時間がかかってしまうことです。時短のため、ミキサーで砕いたり保存容器に蓋をして温かい湯でふやかす人もいます。

また、ふやかすことで歯に付着し歯垢になりやすくなるので、愛犬のデンタルケアもこまめにしてあげましょう。

低カロリーの食材をトッピングする

低カロリーの食材をかさ増しすると、いつもと同じ分量の食事でもカロリーを抑えた上に満足感が維持されます。かさ増しには、豆腐やおから・もやし・きのこ類・海藻類などカロリーの低い食材がおすすめです。

たとえば、もやしは水分のほかに食物繊維・ビタミン・カリウムが豊富なので、足りない栄養素を補えます。肉類であれば鶏ササミ・胸肉・馬肉・鹿肉などが高タンパク・低カロリー・低脂肪なので、ダイエット中の愛犬のトッピングに向いています。

メリットとデメリットを紹介

低カロリー食材は食物繊維豊富なものが多く、野菜から水分摂取もできます。ダイエットだけでなく、血糖値の上昇を抑えて腸内環境改善ができることもメリットといえるでしょう。

デメリットは、細かく刻んだり火を通すなどのひと手間が必要なことです。肉類・いも類はカロリーが高めになるので、栄養バランスが偏らないようカロリー計算をしながらすすめる必要もあります。あらかじめ下処理して、小分けに冷凍保存しておくと計画的にダイエットができますよ。

低カロリーのウェットフードをトッピングする

低カロリー食材を用意する時間のない人は、ウエットフードをドライフードにトッピングしてかさ増ししてもよいでしょう。ウエットフードは、水分含有量75%程度と水分量が多いという特徴があります。

ウェットフードはドライフードのように凝縮されていないので、ドライフードと同じエネルギーと栄養を摂取するには約3.5倍の量を摂る必要があります。ドライフードを減らしてウェットフードをかさ増しすることで、食事のボリュームを保ったままダイエットができます。

メリットとデメリットを紹介

ウエットフードはすでに栄養バランスが整えられているので、カロリー計算しやすくトッピングの手間を省きたい飼い主さんにおすすめです。風味もよく食べやすいので、愛犬も喜んでくれるでしょう。

デメリットは、ドライフードより高いことと開封後に保存が効かないことです。24時間以上保管する際には冷凍保存しておきましょう。

ウエットフードを細かく仕切られた製氷皿に入れておけば、使いたいときに使いたい分だけ解凍できて便利ですよ。

ドッグフードのかさ増しダイエットで注意すべきポイント

ドッグフードのかさ増しダイエットで注意すべきポイント

かさ増しダイエットはいつでも簡単に始められるので、初めてダイエットに挑戦したい人にも向いている方法です。ただし、愛犬の負担にならないよう理想の数値まで体重を落とすためには、注意したい点もあります。

本章では、愛犬が健康的にかさ増しダイエットを続けるための注意点を紹介します。

ドッグフードのかさ増しダイエットで注意すべきポイント
  • ドライフードを減らしすぎないこと
  • 犬が食べやすいようにカットする・加熱するなどの下準備を行う
  • 定期的に体重や毛並みなどの健康チェックをする
  • 食物アレルギーがある場合はアレルゲンとなる食材を使わないこと

ドライフードを減らしすぎないこと

ダイエットのためにいきなりドライフードを減らしすぎると、愛犬が食べなくなったり体調を崩してしまうリスクがあります。犬にも個性があり食べ物の好みがあるので、愛犬が喜んで食べてくれるようにダイエットをすすめていきたいですよね。

ドライフードにトッピングするときは、ドライフードの10%を目安に低カロリー食材に置き換えるとよいでしょう。必要カロリーの減量率は、1週間で1〜2%以内に抑えておくとリバウンドや栄養不良のリスクを減らせます。

犬が食べやすいようにカットする・加熱するなどの下準備を行う

犬の食べ方は、人間と違いほぼ丸飲みです。野菜や穀物が固まりのままだと、消化不良をおこしてしまいます。

野菜をトッピングするときには、細かく刻む・やわらかく煮込むなどして消化しやすくしてあげましょう。排泄物に野菜がそのまま出ていたら、消化できていない証拠です。

みじん切りするかすりおろすなどして、様子をみながらトッピングしてください。下準備の時間がないときは、カットした野菜を耐熱容器に入れて電子レンジで加熱すれば時短できますよ。

定期的に体重や毛並みなどの健康チェックをする

ダイエット中は、定期的な健康チェックが大切です。愛犬の肥満度を測るには、BCS(ボディコンディションスコア)が参考になります。

BCSは、見た目と触った感触で肥満度を評価する方法です。愛犬と触れ合いながら、脂肪のつき方や腰のくびれを確認してあげましょう。

毛並みも、健康状態を測るチェックポイントです。被毛にパサつきやフケがでてきたら、栄養がうまく吸収できていない可能性があります。

食事内容は血液検査の数値にでますので、ダイエット開始したら定期的に血液検査をうけておくと安心ですね

食物アレルギーがある場合はアレルゲンとなる食材を使わないこと

食物アレルギーのある犬には、アレルゲンとなる食材の使用は避けましょう。犬のアレルギーは2歳前後での発症率が高いといわれていますが、食物アレルギーは12ヶ月齢未満での発症報告が多く見られます。

アレルギー源となる食材は肉類・乳製品・卵・大豆・小麦などがしられていますが、野菜のアレルギーもあります。トマトやニンジン・じゃがいもなどで、皮膚のかゆみ・下痢・軟便・嘔吐といった症状がでたらアレルギーがないか確認しましょう。アレルギーは病院の血液検査で診断可能です。

かさ増しダイエットに最適な食材は?

かさ増しダイエットに最適な食材は?

かさ増しダイエットには、低カロリー低脂肪の食材が最適です。ただし、低カロリーならなんでもよいのではなく、適切な量の摂取が大切です。

犬によって1日に必要なエネルギー量は違うので、計算しながら食べさせてあげましょう。計算機をお持ちであれば、「体重×体重×体重」ででた数字に√(ルート)を2回押して70を掛け算し、最後に係数(成犬なら×1.8)を掛け算すると愛犬のエネルギー必要摂取量がわかりますよ。

おすすめの野菜は?

かさ増しには、低カロリーでビタミンや食物繊維も摂れる野菜が最適です。きゅうりやもやし・白菜は95%以上水分なので、栄養補完もできておすすめです。

野菜をトッピングするときは生のままより下処理をすると消化不良をおこさず、腸内環境を整えられます。基本的な下処理方法は、「葉物は細かく刻む・根菜はすりおろす」と覚えておくと調理に迷わずにすみます。

野菜を形崩れするくらいやわらかく煮込んだりペースト状にすると、より食べやすくなりますよ。

動物性タンパク質源としておすすめの食材

動物性タンパク質は、体内で生成されない必須アミノ酸がバランスよく含まれています。犬はタンパク質が不足すると、被毛がパサついたり皮膚乾燥などの症状がでてきます。

ダイエットにおすすめの動物性タンパク質は、鶏・馬肉・鹿肉・ラム肉などの低カロリー低脂肪の肉類です。食べやすいサイズに切れないときは、ひき肉が使いやすくおすすめです。

サバ・タラ・サケなど魚も、犬に必要な脂肪酸やビタミンD豊富で良質なタンパク質が摂れますよ。

豆腐・おからなどの大豆製品もおすすめ

豆腐やおからなど大豆製品は、脂肪が少なくカロリーを抑えたトッピングになります。おからはカロリーが421kcal/100gと低くはないのですが、不溶性食物繊維が多く入っているので少量でもお腹いっぱいになりダイエット向き食材です。

大豆製品はかさ増ししやすいのでおすすめの食材ではあるのですが、アレルギーのある犬には使用できません。アレルギーのない犬でも豆類だけだと消化不良をおこす可能性があるので、細かく刻み他の食材と混ぜた方がよいでしょう。

かさ増しダイエット以外に飼い主ができること

かさ増しダイエット以外に飼い主ができること

負担を少なくはじめられるダイエットとして、かさ増しダイエットはおすすめの方法です。しかし、ダイエットを続けていくためには、食事以外にも飼い主さんができることがたくさんあります。

摂取カロリーを抑えても運動量が減ってしまうと、ダイエット効果も半減してしまいます。また、早食いをすると太りやすくなるので、食事時間のコントロールも必要です。

散歩などの適度な運動をさせる

ダイエットには、食生活の改善のほかエネルギーを消費する運動時間も大切です。運動をせずに筋肉量が低下している状態だと、食事をコントロールして理想の体重になっても体調を崩す結果になります。

犬種によって最適な運動時間がありますが、最低1日2回30分程度の散歩を心がけるとよいでしょう。また、食事が変わると慣れるまでは犬にとってもストレスになります。散歩など運動させていることは、愛犬のストレス発散にもなりますよ。

愛犬の「要求吠え」には応じない

ダイエットを始めたら、おやつを欲しがる愛犬の要求吠えに応じないことも大事です。要求吠えは習慣化してしまうとなかなか治りません。そのため、無視して目を合わせないようにして吠えてもごはんがでないことを根気強く学習させることが、ダイエット成功のカギになります。

飼い主さんにとっては心苦しいことではありますが、愛犬のためと思って乗り越えましょう。要求吠えには応じないで静かになったタイミングですぐに褒めてあげると、愛犬もストレスを溜めず学習もすすみやすいですよ。

早食い防止フードボウルの使用もおすすめ

早食いの犬におすすめしたいのは、食器を変えることです。早食いは血糖値が急激に上昇し肥満になりやすいため、望んでいるダイエット効果はでにくいでしょう。

早食い防止のフードボウルは、さまざまな種類がでています。広めの浅い皿や凹凸型の食器であれば、一度に口に入る食事量が調整できるので時間をかけてゆっくり食べられます。

全体がボール型の食器も、早食いを予防できるのでおすすめです。マズルの長短や体の大きさに合わせて、使いやすい食器を選びましょう。

低カロリーのドッグフードに変更する

カロリー調整が難しい場合は、思い切って低カロリーのドライフードに変更してもよいでしょう。低カロリーのドッグフードで気を付けたいのは、穀物を主原料にしたフードが多いことです。

肉食傾向にある雑食の犬は穀物の消化が苦手なので、急に変更してしまうと被毛がパサパサしたり便秘気味になったりします。犬の食いつきが悪くなったら、動物性タンパク質や野菜をトッピングするなどして消化吸収をよくしてあげましょう。

「かさ増し」で愛犬のダイエットを成功させよう!

「かさ増し」で愛犬のダイエットを成功させよう!

本記事では、初心者でも始めやすい「かさ増しダイエット」について紹介してきました。食べることが楽しみな犬にとってダイエットはストレスになりやすく、飼い主さんの丁寧な対応が必要になります。

低カロリーの食材を活用してかさ増しした食事であれば、愛犬も安心してダイエットできることがお伝えできたと思います。犬の健康管理は、飼い主さんの大切な役割です。カロリー計算や下ごしらえなど慣れていないこともあるでしょうが、すべては愛犬の喜ぶ姿をみたいからと割り切って頑張りましょう。

ABOUT US
Homeeeペットマガジン編集部
Homeeeペットマガジンは、おすすめの動物病院やペットフード、ペットサロンに関する情報をお届けするペット情報メディアです。 日頃から動物に関わりがあるメンバーが、正確でわかりやすい記事にしてご紹介いたします。