可愛いワンちゃんを家族に迎えたいと思ったときに、ペットショップに足を運ぶ方も多いでしょう。犬種によってはものすごく高価な値段がついていることにびっくりすることは珍しくありません。
反対に1万円という破格の値段で売られているワンちゃんをみると、複雑な気持ちになるとともになぜこんなに安いのだろうと疑問に思います。本記事では安く売られているワンちゃんについてリサーチしました。
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1万円で買える犬が売られている理由
ペットショップで店頭に並ぶワンちゃんには価格が付けられています。ブリーダーからの仕入れ値のほか、さまざまな費用が関わることによって値段が決まり、決して安価ではありません。
その中で1万円という値段で売られているのには必ず理由があります。ワンちゃんが1万円で売られている理由を説明します。
人気の犬種ではない
さまざまな犬種の中で人気のある犬種はあまり値段を下げることはありません。値段を下げなくても早いうちに売れていくことが多いので、人気が出れば出るほど高価になる傾向です。
反対に人気の犬種ではない場合は、売れ残ってしまう可能性があるので値段を下げることによって売れやすくすることがあります。最近では人気のあるミックス犬もいますが、やはり純血種よりもミックス犬の方が値段を下げられることが多いです。
売れ残り成長しすぎている
子犬の成長は早く、生後5カ月を過ぎると子犬らしさが少しずつ失われていきます。ペットショップで売られている子犬は月齢が低い方が売れやすいので、なかなか売れずに成長してしまった場合は早く売るために販売価格を下げていきます。
ペットショップが子犬の値段を下げるタイミングは生後4カ月を過ぎたあたりからで、1万円で売られている場合は生後1年くらいになっていることが多いです。
健康状態に問題がないことが多く、ショップによっては社会化トレーニングを行ってくれているので、長くペットショップにいたかといって飼いにくいということはありません。
見た目が良くない
同じ犬種であっても顔立ちや体形にはそれぞれの個性がありますが、見た目が魅力的でない場合、人気のある見た目のワンちゃんに比べて需要が少なくなります。
ペットショップではそれを犬種としてのマイナス点ととらえて値段を安くする傾向があります。よく見られる見た目の問題に歯の噛み合わせがよくあげられます。分かりやすくいうと出っ歯やしゃくれのような状態です。
その他に目の大きさや位置、尻尾の長さなどが犬種のスタンダードでない場合も値段が安くなる要因です。健康上に問題がなければ見た目は愛嬌となり、ワンちゃんの個性として愛することができるでしょう。
被毛の色が良くない
犬種によっては特定の被毛の色が人気があり、他の色の子犬は需要が低いことがあります。また、単色が好ましいと言われる色に差し色やブチが入った場合も犬種としてはマイナス要素ととらえられ、値段が下げられます。
しかし子犬の頃の被毛の色は成長するにつれ変化することもあるので、毛色がマイナス要素になるとは言い切れません。ドッグショーなどに出場させたいなどの希望がない限り、毛色がよくないだけで極端に値段が下げられることはあまりないかもしれません。
先天性の疾患や障害がある
ワンちゃんが特別安く販売されている場合に注意したいのは、先天性の疾患や障害がある場合です。健康上に問題がある場合は、疾患や障害の度合いによりかなり格安、もしくは無料で里親を募集している場合もあります。
もし疾患や障害のあるワンちゃんをお迎えしようと思ったときは、ショップの店員さんになるべく詳しく話を聞きましょう。
同時に毎日の介護やケア、一生涯にかかる治療費を捻出できるかを家族でよく話し合い、信頼できる動物病院も探しておきましょう。
同じ犬種でも1万円と30万円で売られる違いは何?
同じ人気犬種であってもその値段の幅はとても大きいことがあり、値段の違いにはいくつかの要因が影響します。両親犬がドッグショーで賞を取るなどの優れた血統を持っていたり、外国産の有名犬舎の系統である場合はその値段は跳ね上がります。
犬の価格というのは、ブリーダーの犬種にかける手間や努力がそのまま価格に影響するからです。ショータイプではない、ペットタイプのブリーダー出身の子犬は驚くほど高額にはなりませんが、それでも見た目や毛色などにより値段に差が出てきます。
また同じ犬種でも前述の通り、月齢や見た目の問題、疾患の有無などにより値段に大きく差がつきます。
同じ犬種の場合、値段が安いと問題がある?
疾患や障害があって値段が安くなっている場合を除き、同じ犬種で値段が違ってもなにも問題はありません。値段の違いの多くは見た目に関することが多く、家族として迎えるにあたってはどのワンちゃんでも違いはないでしょう。
また見た目の違いはワンちゃんの個性なので、チャームポイントとしてとらえることができます。成長して安くなっている場合は、ワクチンプログラムなどが終了しており、体調も安定しているのですぐにお散歩ができる安心感があります。
ペットショップの子犬の適正価格は?
ペットショップで売られている子犬に適正価格はあるのでしょうか?ペットショップの子犬の価格は、犬種、血統、健康状態、需要と供給のバランスなどによって異なります。
また、パピーミルのように繁殖だけを行うような環境で生れてくる子犬と、家庭犬と同じ環境で愛情をこめてのびのびと育てられている子犬では値段に大きく差が出ます。
他にもペットショップの規模や、立地、光熱費、人件費などの運営の状況も子犬の値段に影響するでしょう。
適正な価格を知るためには、複数のショップで価格を比較し、信頼性のある情報源を参考にすることが大切です。
ペットショップで子犬が販売されるまでにかかる費用
多くのペットショップはブリーダーが繁殖した子犬を仕入れて、店頭で販売をします。ときには子犬をオークションなどから仕入れることもあります。犬種や子犬の仕入れ先によって仕入れ値は変わりますが、おおよそ5万円~15万円です。
ここから人気犬種の相場や販売するまでの管理コスト、飼育コスト、店舗の営業方針などが影響して金額が上乗せされます。
また生体の販売価格のほかに、購入する際はワクチン代や健康診断料、マイクロチップ代、血統書の登録費用、保険料などが上乗せされることが多いです。
安くて心配なら店員さんに事情を確認してもよい
ペットショップで安く売られているワンちゃんには、必ず安くなっている理由があります。あまりに安くなっていて心配な場合は、ショップの店員さんに事情を聞きましょう。
多くの場合は販売期間が長くなってなかなか新しいお家が決まらないケースですが、中には健康上の問題を抱えている場合もあります。ワンちゃんを抱っこさせてもらったり、体をよく観察して気になることがあれば積極的に店員さんに質問しましょう。
一度家族に迎えたら、一生の面倒をみる責任がありますので後で後悔しないように納得してからワンちゃんをお迎えください。
1万円で買える犬に対する人々の声
ワンちゃんが1万円で売られていたら、愛犬家にとって少し戸惑いますね。実際に1万円で売られているワンちゃんに対する人々の反応の声を集めてみました。
命に安い値段をつけることに抵抗を感じるひとも多いでしょう。なんとか新しい家族が見つかってほしいという思いが伝わってきます。
実際に1万円で売られていたワンちゃんを家族にしました、という方もいてほっとしました。1万円で売られているワンちゃんを心配してSNSで拡散してしまう気持ちもとてもよく分かります。
また、生体価格は1万円なのにその他の金額を上乗せして20万円になったという意外な結末もあり驚きです。ショップの販売システムもしっかり把握しておかないといけませんね。
売れ残ってしまった犬はどうなるの?
ペットショップで売れ残ってしまったワンちゃんは違う販売ルートを探したり、ブリーダーに返されることが多いです。良心的なペットショップでは、イベント施設や保護団体と連携して里親を探したり他の施設で飼育されることもあります。
ブリーダーに返されると繁殖犬として飼育されることが多く、必ずしもすべてのワンちゃんにとって適切な飼育環境でないこともあります。
動物愛護法によって、保健所に持ち込むということはできなくなっていますが売れ残ったワンちゃんがすべて適切な飼育環境で幸せに暮らせるわけではないのも事実です。
1万円の犬まとめ
ペットショップで命に1万円という安い値段をつけられることにはさまざまな理由があり戸惑いを感じますが、なるべく早く家族を見つけられるようにというショップ側の思いもあるかもしれません。
ペット先進国であるヨーロッパではペットショップで生体を販売することは禁止されており、多くの人はブリーダーから直接購入したり、保護施設から保護犬を迎える選択をします。
ペットショップで売れ残ることで不幸なワンちゃんが生まれることもあるという事実を知ることで、この記事がペットショップのあり方を考えるきっかけになればと思います。