愛らしい見た目と性格で、ペットとして大人気のフレンチブルドッグ。2022年の犬種別犬籍登録頭数では6位にランクインしており、日本でも多くの人がフレンチブルドッグと一緒に暮らしています。
しかし、インターネットでは、「育てるのが大変」「飼って後悔した」という声もあります。フレンチブルドッグのマイナスな意見を目にすると、これから家族に迎えようと考えている方は不安ですよね。
そこで本記事では、フレンチブルドッグの特徴や飼って後悔する理由・後悔しないための対策方法など詳しく解説します。
目次 -INDEX-
フレンチブルドッグを飼うと後悔するって本当?
愛らしい見た目と穏やかな性格で人気のフレンチブルドッグですが、実際に飼ってみると大変で後悔したという人も少なくありません。
フレンチブルドッグを家族に迎えたいと考えているなら、あらかじめフレンチブルドッグの特徴や性格について理解しておく必要があります。
フレンチブルドッグはどんな犬種?
フレンチブルドッグの犬種としての歴史
フレンチブルドッグは、フランスで闘犬であるブルドッグやマスティフと性格が穏やかでユニークなパグやテリアなどを異種交配して作出されました。当初はネズミ捕り犬として活躍していましたが、フランスの貴族や芸術家の間で人気になり、ヨーロッパを中心に広く知られるようになりました。
フレンチブルドッグは、その後アメリカに渡ります。当時のアメリカでは耳が立った個体とたれ耳の個体がいましたが、1990年代に行われたフレンチブルドッグショーの結果が決定打となり、耳が立っている個体がスタンダードとなりました。
愛らしい見た目で人気急増!
フレンチブルドッグと言えば、まず思い浮かぶのが短くつぶれた鼻です。愛らしい「ブサカワ」な顔で、多くの人を虜にしています。また、コウモリが羽根を広げたような立ち耳も、特徴的です。耳が立っていることでよりいっそう表情豊かに感じられ、とぼけたような表情で癒してくれます。
フレンチブルドッグが人気な理由は、愛嬌のある容姿だけではありません。性格は穏やかで愛情深く、人間と一緒にいることを好みます。犬より人間が好き、という個体もいるほどです。
意外と力も強く飼いにくい反面も
見た目も性格も愛嬌たっぷりのフレンチブルドッグですが、実は飼いにくい一面もあります。小型犬のため体は小さめですが、意外と力が強く、きちんとしつけができていないと手が付けられなくなることもあります。
また、フレンチブルドッグは、異種交配によって作り出された犬種です。他の犬種に比べて身体的リスクを多く抱えており、健康な状態を維持するのは簡単ではありません。
軽い気持ちでフレンチブルドッグを飼うと後悔するので、迎え入れる前に注意点を確認しておきましょう。
フレンチブルドッグを飼って後悔する理由
【理由1】抜け毛が多く掃除が大変
フレンチブルドッグは短毛の犬種なので、お手入れが楽だと思われがちです。しかし、実は抜け毛が多く、掃除が大変です。フレンチブルドッグは寒さを防ぐために、毛の構造が上毛と下毛に分かれる「ダブルコート」になっているため、とくに換毛期には毎日のブラッシングが必要になります。
また、フレンチブルドッグの毛は短く、洋服やカーペットなど布製のものに刺さった状態になります。細かく散らばるため、床に落ちていても見つけづらく掃除が大変です。
【理由2】体臭が強い
フレンチブルドッグは皮脂が多く、体臭が出やすい犬種です。そのため、お手入れを怠ると、臭いが気になったり皮膚病にかかったりする恐れがあります。
フレンチブルドッグは、こまめにブラッシングをしたり月1~2回シャンプーをしたりなど対策が必要です。また顔に凹凸が多く、しわの間に汚れがたまりやすくなっています。定期的にお湯で濡らして硬く絞ったタオルなどで皺の間を拭くなど、清潔に保ってあげなければいけないためお手入れが大変です。。
【理由3】病気のリスクが高い
ブルドッグは、遺伝子疾患など特有の疾患が多い犬種です。とくに下記の病気には、注意が必要になります。
- 皮膚病
- 目病
- 足や関節の病気
- 呼吸障害
- 尿石症
- 軟口蓋過長症
- 鼻腔狭窄症
- 食物アレルギー
また、フレンチブルドッグは食欲旺盛で、飼い主が体重のコントロールしないと食べすぎてしまいます。太りすぎると心臓に負担がかかり、さらに病気のリスクが高まります。
【理由4】性格が頑固
穏やかで人懐っこい性格のフレンチブルドッグですが、マイペースで頑固な一面もあります。気分が乗っているときは飼い主の言うことを聞いてくれますが、気分が乗らないときは飼い主のことを無視したり散歩を拒否したりなど、言うことを聞いてくれません。そのため、しつけには、時間と根気が必要になります。
フレンチブルドッグは小型犬ながら力が強いため、しつけがしっかりとできていないと甘噛みによるケガや家具へのいたずらなどトラブルの原因になってしまいます。
【理由5】興奮すると手が付けられない
フレンチブルドッグは普段は穏やかですが、闘犬の血が入っているため闘争心が強く興奮しやすい性格です。そのため、興奮するとやんちゃになり、家の中を飛び跳ねたり家具を噛んだりなど暴れてしまうこともあります。
とくに訪問者が来た際は興奮しやすく、ケガを負わせてしまう可能性もあるので危険です。
【理由6】気温の変化に弱い
フレンチブルドッグのような短頭種は、他の犬種に比べて体温調節が苦手です。とくに暑さには弱く、体の熱を放散できず熱中症になってしまうので、夏場は基本的に日中の散歩はできません。また、気温の変化にも弱く、寒暖差の激しい季節には体調に注意しましょう。
夏は、熱中症予防のためにエアコンを付けておく必要があるため、電気代もかさんでしまいます。さらに、フレンチブルドッグは、気温だけではなく湿度にも気を配りましょう。
【理由7】いびきがうるさい
フレンチブルドッグは、いびきをかきやすい犬種です。少しであれば愛らしく感じますが、成人男性並みの大きさで立派ないびきをかく場合もあります。
いびきの原因は鼻の構造で、気道が短く空気の通り道が狭いことにより起こります。うるさくて寝られないこともあるので、寝室で一緒に過ごすのは難しいと考えておきましょう。
でもやっぱり可愛い!飼って良かったという声
フレンチブルドッグは注意しなければいけない点が多いものの、見た目や性格の可愛さから飼って良かったという声も多く見られました。何も考えずに飼い始めると後悔するのは事実ですが、きちんと性格や特徴を把握するなどの準備をしておけば対策は可能です。
フレンチブルドッグを飼って後悔しないためのポイントは、次章で詳しく解説します。
フレンチブルドッグを飼って後悔しないために
- 飼い始める前に情報収集をする
- 子犬の頃からしつけをする
- 経済的余裕ができてから飼う
フレンチブルドッグを飼って後悔しないためには、事前に情報収集をしておくことが重要です。性格面や健康面のことを理解しておくことで、上手に付き合っていけます。
フレンチブルドッグの情報はインターネットで探すこともできますが、すべてを鵜呑みにするのは危険です。時には、ブリーダーやドッグトレーナーなど専門家の力も借りましょう。
また、フレンチブルドッグは力が強く頑固な一面もあるため、しつけが大変です。成犬になってからしつけを始めると、事故やケガにつながる危険性があります。そのため、まだ力が弱く噛み癖が付いていない子犬の頃からしつけを行いましょう。
加えて、フレンチブルドッグは、病気のリスクが高い犬種のため医療費がかさまないよう健康管理が大切です。体温調節のための冷暖房をつねに使用するため、電気代も必要です。思わぬ出費があっても問題無いよう、経済的に余裕ができてから迎え入れましょう。
フレンチブルドッグを飼うときは特徴を理解することが大切
本記事では、フレンチブルドッグの特徴や飼って後悔する理由について解説しました。フレンチブルドッグは病気のリスクが高く、頑固で力強いため、軽い気持ちで飼い始めると後悔してしまいます。
しかし、フレンチブルドッグは注意点を補って余りある愛らしさがあり、一緒に暮らすことで日々の疲れを癒してくれます。本記事で紹介した後悔しないためのポイントを参考に、フレンチブルドッグを家族に迎え入れてください。