狂犬病ワクチンを打たないとバレる?打つべき理由を解説します!

狂犬病ワクチンを打たないとバレる?

狂犬病ワクチンは毎年の接種を義務付けられていますが、実際に飼い主さんはどう感じているのでしょうか。「飼い犬に狂犬病ワクチン打っていないけど大丈夫かな」「ワクチン打たなくてもバレなければいいかな」「ワクチンの副作用があったら愛犬がかわいそう」などさまざまな思いがあるかもしれません。

では、狂犬病ワクチンを打たなくても、バレることはないのでしょうか?また、狂犬病ワクチンを打たないと、どうなるのでしょうか。本記事では、狂犬病ワクチンについて紹介しています。

狂犬病ワクチンは打たなくてもいい?

狂犬病ワクチンは打たなくてもいい?

そもそも、狂犬病とはどのような病気なのでしょうか。狂犬病と聞いても、日本に住んでいるとあまり身近に感じないかもしれません。

狂犬病は一度発症すると治療法がなく、致死率100%の感染症です。世界では毎年5万人以上が狂犬病で亡くなっており、WHO(世界保健機構)でも狂犬病の蔓延を防ぐため狂犬病ワクチンの接種をすすめています。

幸い日本では、狂犬病ワクチン接種が法律で義務化されているので、狂犬病発症率は0%に抑えられています。発症率が低いため、「ワクチンを打たなくてもいいのではないか」との意見もありますが、ワクチン接種をするまで日本も狂犬病に悩まされてきた歴史があるのです。

狂犬病ワクチンの接種率は?

狂犬病ワクチンの接種率は?

2022年度時点での狂犬病ワクチン接種率は、70.9%です。1950年に狂犬病予防法が制定されて以来、1990年代半ばまではワクチン接種率100%だったので現在はかなり低迷している状態といえます。

世界で狂犬病が発症していない国は、日本・北欧諸国・オーストラリア・ハワイなど限られた国のみです。日本近隣のアジア諸国では、ほとんどの国が発症しています。

世界的な狂犬病の蔓延を防ぐため、WHO(世界保健機構)が推奨しているワクチン接種率は70%です。現状では、日本も今後70%を割るだろうといわれています。

狂犬病ワクチンは打たなくてもバレない?

狂犬病ワクチンは打たなくてもバレない?

狂犬病ワクチン接種は義務となっているので、接種証明書の交付を受けなければ保健所登録や動物病院での登録ができないようになっています。狂犬病予防法の特例でマイクロチップの装着義務があり、チップによる登録が可能となる自治体もあります。そのため、ワクチン接種状況が確認されるようになっているので、打たないとバレる可能性は高いです。

もしも未接種がバレたらどうなるのでしょうか

狂犬病ワクチンは打たなくてもバレない?

狂犬病ワクチンを打っていないことは、思わぬところでバレるものです。2024年に群馬県の公園で12人(小学生9人含む)が、近所で飼われていた犬に噛まれるという事件が起きました。

飼い主が狂犬病ワクチン接種を受けさせていなかったことがわかり、テレビニュースでも取り上げられています。狂犬病ワクチンの接種率が下がっていることもあるせいか、SNSで狂犬病ワクチンは不必要との誤った投稿もでていましたが、毎年未接種の飼い主が検挙されていますので、いずれバレると考えた方がよいでしょう。

狂犬病ワクチンを打たないと逮捕される?刑罰は?

狂犬病ワクチンは法律で年1回の接種が義務付けられているので、未接種が発覚したときは20万円以下の罰金が発生します。交通違反のように反則金を払えばよいという程度のものではなく、有罪判決がでた場合は前科としても残るのであまり軽く考えない方がよいでしょう。

警視庁の統計によると、令和3年の狂犬病予防法違反検挙数は160件、令和4年では135件となっています。

狂犬病ワクチンを打たなくてもよい犬はいる!免除条件は?

狂犬病ワクチンを打たなくてもよい犬はいる!免除条件は?

免除条件

過去に狂犬病ワクチンによる副反応がでた・がん治療中である・重い免疫疾患がある・重い感染症がある・重度のアレルギーがある・老衰のため免疫力低下が著しいなど。※証明書の必要性は獣医師が判断します。

狂犬病ワクチン接種は義務ですが、免除されるケースもあるで紹介します。狂犬病予防接種を免除されるのは、獣医師から「狂犬病予防接種猶予証明書」を発行してもらった場合です。

免除は飼い主が独断で決められるのではなく、犬ががん治療中である・重い病気やアレルギーがあるなどワクチン接種が犬の健康に影響を及ぼすと獣医師が判断したときのみになります。証明書は発行年度のワクチン接種が免除されるものなので、翌年度以降も接種を免除してもらう際には、改めて証明書を発行してもらいましょう。

狂犬病ワクチンを打ってないのがバレる理由は?

狂犬病ワクチンを打ってないのがバレる理由は?

バレる理由
  • 人や犬を噛んで発覚した
  • 外出先で接種証明書の提示を求められ発覚
  • マイクロチップによる確認で発覚

狂犬病ワクチンは、人を噛んでしまった・外出先で注射済票の提示を求められたなどでワクチン未接種とバレる可能性があります。また、令和4年から販売される犬には、マイクロチップの装着が義務化されています。

マイクロチップ情報にはワクチン接種の状況も確認できるようになっているので、自治体から未接種の指摘を受ける可能性があると考えておきましょう。いずれにしても、狂犬病ワクチンの接種は法律に定められた義務であり、未接種は違法行為に当たり罰則がありますので、バレる心配をするよりも接種した方がよいということになります。

狂犬病ワクチンを打ってないと制限されること一覧

狂犬病ワクチンを打ってないと制限されること一覧

制限されること一覧
  • 会員制ドッグランに登録できない
  • ペットホテルに宿泊できない
  • 動物病院に預けられない
  • 海外渡航できない

会員制ドッグランの利用やペットホテル・動物病院に預ける場合は、狂犬病ワクチンを打っていないと利用が制限されます。施設によって求められる予防接種の証明書の種類はさまざまですが、法律で義務付けられている狂犬病ワクチンの注射済票は常に準備しておきましょう。

また、ペット同伴で日本から出国する場合は、動物検疫所で輸出検疫を受ければ、狂犬病ワクチン接種の有無にかかわらず連れていくことはできます。しかし、相手国によっては義務付けられていることがあるので、事前に入国条件の確認をするとよいでしょう。

狂犬病ワクチンの接種が必要な理由

狂犬病ワクチンの接種が必要な理由

狂犬病ワクチンの接種が必要な理由
  • 狂犬病が発症すると致死率100%であるため

狂犬病ワクチンの接種が必要な理由は、発症すると100%命を落とす非常に危険な病気だからです。狂犬病は、病気を患った動物に噛まれるなどして人に感染します。

人から人に感染することはありませんが、発症後の有効な治療法はありません。日本では近年狂犬病の発症が認められたケースはありませんが、2006年にフィリピン滞在中に狂犬病の犬に噛まれた外国籍の人が、日本入国後に発症して亡くなったというケースがあります。

日本では狂犬病予防法により狂犬病を抑えられているので、実感がないかもしれません。ただ、狂犬病は、現在も海外で毎年5万人以上亡くなっている怖い病気なのです。

狂犬病ワクチンに副作用はある?

狂犬病ワクチンに副作用はある?

副作用一覧
  • 嘔吐・下痢
  • 発熱
  • 顔面の腫れ
  • 蕁麻疹
  • 呼吸困難
  • 痙攣

狂犬病ワクチンの副作用発生率は混合ワクチンより低いとされていますが、個体差により副作用は発生します。報告されているおもな症状は、摂取した当日から数日間元気がない・嘔吐・下痢・発熱などです。発症するまでの時間は、ワクチン接種後6時間以内が過半数を占めています。接種当日は、シャワーや運動はせずに一緒にゆっくり過ごしてあげましょう。

副作用としては、接種後30分以内に蕁麻疹や呼吸困難・痙攣などのアレルギーやアナフィラキシー反応がまれに起こります。愛犬が日頃の様子より極端に元気がなくぐったりしている場合は、動物病院に相談しましょう。

狂犬病ワクチンに関する質問に回答

狂犬病ワクチンに関する質問に回答

本章では、愛犬に狂犬病ワクチン接種したい人が疑問に思う狂犬病ワクチンに関する質問に回答していきます。接種時期や費用など地域や動物病院によって違いがありますので、詳細は住まいの自治体、かかりつけの獣医師に確認してからすすめると安心です。

狂犬病ワクチンはいつ接種する?

狂犬病ワクチンは毎年4月1日から6月30日が接種時期となります。生後91日以上の子犬は、飼い始めてから30日以内に狂犬病ワクチンを接種し注射済票の交付を受けてください。

翌年からは、毎年1回受けさせてください。ワクチン接種は、自治体で行う集団接種か動物病院で受けられます。

狂犬病ワクチンの費用は?

狂犬病ワクチンの接種料金は、市町村によって決められています。たとえば、川越市の集団接種では2,950円、鎌倉市では3,100円、国分寺市では3,200円などとなっています。

全国平均でみると、注射済票交付手数料と合わせて3,500~4,000円位が狂犬病ワクチン費用の目安になります。

狂犬病ワクチンを摂取した後の過ごし方は?

狂犬病ワクチン接種後は、嘔吐・下痢、発熱などの副作用やまれに痙攣や呼吸困難などアナフィラキシー反応がでることもあります。犬によっては元気がなくなる・ぐったりしていることもありますので、接種後はシャワーや運動を控えて自宅でゆっくり過ごす時間をとってあげてください。

元気がないなどの症状が続くようであれば、獣医師に相談しましょう。

狂犬病ワクチンを打って亡くなった犬はいる?

麻布大学と東京環境アレルギー研究所の研究によると、2004年4月から2019年3月までの15年間で狂犬病ワクチン後の重篤な副作用で亡くなった犬は171頭となっています。累計7257万3199回(年間平均483万8213頭)の犬がワクチン接種を受けているので、ワクチンの副作用で亡くなる確率は0.0000023%と低く安全性は高いといえます。

狂犬病ワクチンは自治体から案内が来る?

市町村に飼い犬の登録がされている犬には、毎年自治体からワクチン接種の案内ハガキが届きます。ワクチン接種に行く際には、ハガキをご持参ください。飼い主の住所が変更される際には、返送されてしまう可能性があるので自治体に問い合わせましょう。

登録がされていないと案内ハガキは届きませんが、会場で接種は可能です。会場に着いたら、登録を済ませて接種を受けてください。

狂犬病ワクチンの種類は?

犬に接種が義務付けられている狂犬病ワクチンは不活性化ワクチンで、年1回の摂取が必要です。そのほかの感染症を予防できる任意ワクチンは、単体ワクチン・5種混合ワクチン・6種混合ワクチン・8種混合ワクチン・10種混合ワクチンなどがあります。

【まとめ】狂犬病ワクチンは特別な理由がない限り打つのが賢明!

狂犬病ワクチンは特別な理由がない限り打つのが賢明!

本記事では、狂犬病ワクチンを打っていないことがバレる可能性やバレたらどうなるかと狂犬病ワクチン接種の必要性を検証してきました。日本では、半世紀以上も狂犬病発症の例がないので、狂犬病を知らない人がほとんどです。

しかし、狂犬病は、世界的にみるとまだまだ感染して亡くなる人が多い病気という実態があります。日本は狂犬病ワクチンを義務化したことで、発症率を0%にした狂犬病清浄国といわれています。

今後も人の安全・愛犬の安全を考えて、特別な理由がない限り毎年接種することが賢明でしょう。

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