日本でプードルといえば、小さくて可愛らしいトイプードルを思い浮かべる人も多いでしょう。実はプードルには4種類の大きさがあり、その中でも一番大きなのがスタンダードプードルです。
「スタンプー」という愛称で呼ばれ、大きなぬいぐるみのような姿が可愛らしく印象的です。その優雅なスタイルから、ドッグショーでもとても人気があります。
そんなスタンダードプードルを家族に迎え入れたいという方のために性格や飼い方、しつけのポイントから病気までをご紹介していきます。
目次 -INDEX-
スタンダードプードルの基本情報
歴史
スタンダードプードルはフランス原産の大型犬ですが、その起源は詳しく分かっていません。ヨーロッパ全土に分布していた狩猟犬「バルビー」がその祖先ではないかといわれています。
ウォータードッグとも呼ばれ、水辺での鴨猟で活躍します。冷たい水の中での作業から体を守るために頭や心臓、関節部分の毛を残し、泳ぎやすいように他の毛を刈り込む独特のカットスタイルが考案されました。
16世紀のフランスでは、プードルといえばスタンダードプードルのことでした。その後、小型化するための改良がすすみ、現在の4サイズのプードルが固定されていきます。
現在では家庭犬としてはもちろん、抜け毛の少ないことから介助犬やセラピードッグなどでも活躍しています。
大きさ(サイズ)
- オス
- 体高 45~60cm
- 体重 20~30kg
- メス
- 体高 45~60cm
- 体重 20~30kg
※体高…地面から肩の位置の数値 体長…胸からお尻のでっぱりまでの数値
オスとメスの体格差というより、大きさに個体差が出やすい犬種です。
体高と体長がほぼ同じサイズのスクエア型の体形です。豊富な毛量でわかりずらいですが、意外に華奢で引き締まった体格をしています。被毛は硬めのシングルコートで、カールをしています。
小さめの頭で手足が長く、品のある知的な顔つきをしています。高貴で優雅な雰囲気はとても目立ちます。
寿命
スタンダードプードルの平均寿命は12歳~15歳で、大型犬の中では長寿の傾向があります。
小型犬に比べ、短命といわれる大型犬ですが、最近では獣医学の発達や飼育環境の改善で、より長生きをする個体も増えてきました。
介護が必要になった場合のことも考えておくと良いです。家族全員のサポートが必要になるので元気なうちからシミュレーションしておきましょう。
そして、なるべく健康寿命を伸ばせるように、若いうちからケアをしていきましょう。
スタンダードプードルの性格
活発で社交的
とても明るく、活発で遊び好きです。特に子犬の頃は少しもじっとしていることができません。社交性があり、他の犬や動物とも仲良くできます。好奇心も強く、いたずらも激しいことがあります。
スタンダードプードルは、ミニチュアやトイに比べ、落ち着いて大らかな性格で、1歳半~2歳頃に落ち着いてきます。
それまでは根気よく、しつけと社会化を行っていく必要があります。
訓練性能が高く、従順
賢く、聡明でとてもしつけのしやすい犬種です。その訓練性能の高さから、警察犬や盲導犬、サーカスなどでも大活躍しています。
人間が大好きで従順なので、すすんでトレーニングを受け入れるでしょう。飼い主と一緒に行動したり、共同作業をすることが大好きです。
ドッグスポーツやアウトドアでは良き相棒となります。人間の気持ちを察する能力も高いのでセラピードッグや介助犬などにも向いています。
頭が良い分、飼い主がリーダーシップをしっかりととる必要があるでしょう。
家族思いで寂しがりや
スタンダードプードルは、家族思いで優しく愛情深い性格です。人間の子どもとの相性もよく、よく遊びます。他の犬とも友好的なので多頭飼いにも向いている犬種です。
狩猟犬の多くは群れで行動し、ハンターの側で生活していました。そのため、ひとりで過ごすことが苦手です。常に家族の側にいたい犬種なので長いお留守番はあまり得意ではありません。
屋外ではなく、必ず室内で飼育するようにしましょう。家族から離されることがストレスになってしまいます。
スタンダードプードルに必要な運動量
活発な大型犬なので、運動量は多いです。1日2回、それぞれ1時間程の散歩が必要です。
その他に、ドッグランなどで自由に走らせたり、他の犬と遊ばせるなどの運動を取り入れるとよいです。
家の中では、知能を使う遊びがおすすめです。おやつやフード、おもちゃなどを隠して探させたり、違う部屋から指示されたものを持ってこさせたりと、飼い主も一緒に楽しめる遊びがよいでしょう。
運動不足はストレスの原因となり、さまざまな問題行動をひきおこす原因にもなります。しっかりたっぷりと運動に時間をかけてあげる必要があります。
スタンダードプードルの飼い方
ポイント1 飼育環境を整える
大型犬なので広めの飼育スペースが必要になります。他の大型犬に比べて華奢な体つきをしているので、活発なスタンダードプードルは怪我や骨折などに注意が必要です。
床は滑りにくい素材を使ったもの、またはカーペットやマットレスを敷くことによって怪我を防止します。
被毛はシングルコートなので、寒さは少し苦手です。夏の暑さはもちろんのこと、冬の寒さにも配慮する必要があり、エアコンなどで快適な温度になるよう管理しましょう。
スタンダードプードルは衛生面からも屋外の飼育に向いていません。家族の一員として室内で一緒に生活する環境を整えてあげましょう。
ポイント2 社会化とトレーニング
大型犬の中でも飼いやすいといわれていますが、しっかりとしたトレーニングと社会性を身に着けさせることは必要です。
扱いやすい子犬のうちからトレーニングを始めましょう。大型犬なので、飼い主がしっかりコントロールできるようにしておく必要があります。
生後4週齢~13週齢の頃を「社会化期」と呼び、この時期に人間社会の多くの環境に慣れさせておくことで安定した情緒を育むことができます。
まだワクチンプログラムが終わっていない場合でも、抱っこをして外の世界を色々体験させてあげましょう。
同時に、家の中でも掃除機やインターフォンの音を繰り返し聞かせておきます。来客に慣れさせるために友人や知人に頼んで遊びにきてもらってもよいでしょう。
ポイント3 被毛のお手入れは欠かさずに
プードルを飼う最大のメリットは、抜け毛が少ないことです。正確には抜け毛は床に落ちず、周りの毛に絡まって留まる構造になっています。
そのため毛玉になりやすく、毎日のブラッシングで取り除いてあげる必要があります。また、定期的にトリミングをしてあげないと際限なく毛が伸び続けるので生涯にわたりケアが必要です。生涯にわたってトリミングが必要な犬種なので、お手入れを嫌がらないようにしておきましょう。
スタンダードプードルは大型犬なので、シャンプーやトリミング代は他の小型犬に比べてかなり高価になります。美しい被毛と健康を維持するために、労力と出費は惜しまないようにしましょう。
スタンダードプードルのかかりやすい病気・疾患
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
副腎皮質という器官から分泌される、コルチゾールというホルモンが低下することによって引き起こされます。
症状は食欲低下、嘔吐、下痢、多飲多尿などが見られます。急性の場合は命にかかわることもあり、早期発見することが大切です。
反対にコルチゾールが過剰分泌させることによっておこる「クッシング症候群」も気を付けたい病気です。こちらは多飲多尿、多食、腹部膨張などがみられます。
どちらも定期的な血液検査で早期発見することができます。
胃捻転
胸の深い大型犬に多い疾患です。なんらかの原因で胃がねじれて中にガスが溜まり、やがて多機能不全で死に至ります。
症状は食後に何度も吐くようなしぐさを見せたり、よだれをたらして不安げに歩き回ったりします。
食中・食後に激しく動いたりすることで発症しやすく、緊急の外科手術でしか対処法はありません。緊急を要するので、夜間でも急患を受け付けてくれる病院をあらかじめ探しておきましょう。
早食いをさせないことや、食事の回数を増やすことで発症の予防になります。また、食後や大量の水を飲んだ後は、しばらく安静にさせることが必要です。
皮膚疾患(脂腺炎)
プードルは比較的皮膚疾患が多く、特に気をつけたいのが「脂腺炎」です。免疫の異常によって発症する疾患で、乾燥性のフケや脱毛がみられます。重度になると脱毛部分がひろがり、ニオイが出ることもあります。
治療法は確立されていませんが、薬用シャンプーなどで定期的にフケを洗い流すことが効果的とされています。
また、ドッグフードなどの食事内容を見直すことによって改善されることもあります。
スタンダードプードルにおすすめのドッグフード
【全年齢向け】スタンダードプードルにおすすめのドッグフード
カナガン
価格 | ¥4,708(税込)/2kg |
対応年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキン |
原産国 | イギリス |
活発で運動好きなスタンダードプードルには、良質なたんぱく質が豊富に摂取できるドッグフードをおすすめします。
カナガンは原材料の50%に高タンパクなチキンを使用したプレミアムドッグフードです。犬には消化しにくいと言われるトウモロコシや小麦などの穀類をいっさい使用していません。
チキンは人間が食べられる基準をクリアしている「ヒューマングレード」で、上質な生肉を使用しています。
保存料や合成着色料も使わてれいない完全無添加なので、アレルギーが心配なワンちゃんにも安心して与えられます。犬の体内では合成できない必須脂肪酸のひとつであるオメガ3脂肪酸も含まれており、皮膚のアレルギー反応を改善させてくれる働きがあります。
皮膚疾患の多いスタンダードプードルにはぜひおすすめしたい成分です。
【パピー・老犬向け】スタンダードプードルにおすすめのドッグフード
ブッチ
出典:https://www.butch-japan.jp/
価格 | ¥1,430(税込)(定期購入 ¥1,287(税込))/800g ¥2,860(税込)(定期購入 ¥2,574(税込))/2kg |
対応年齢 | 全年齢 |
主原料 | ビーフ、ラム、チキン |
原産国 | ニュージーランド |
動物性たんぱく質の割合が92%もある、高たんぱく低脂肪のミートタイプのドッグフードです。犬本来の食生活である肉食に限りなく近く、少量でも必要な栄養素はしっかり摂ることができます。
育ち盛りの子犬から活動量の減ったシニア犬までおすすめできるフードです。
環境規制の厳しいニュージーランド産のヒューマングレードの食材を使用しており、少量の野菜類や海藻を加え、生肉だけでは得られないビタミンやミネラルも効率よく得られるように工夫されています。
皮膚疾患の多いスタンダードプードルに特に注目していただきたいのが、魚本来のオメガ3脂肪酸と、素材由来のオメガ6脂肪酸がバランスよく配合されていることです。
消化吸収もよく、内側から皮膚と被毛の健康をサポートしてくれます。
保存に便利なフレッシュキャップ付きです。フィルムタイプで、残った分はキャップをつけてそのまま冷蔵庫で保存ができます。空き缶が溜まることがなく衛生的なのも嬉しいですね。
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スタンダードプードルのしつけのポイント
- オビディエンストレーニングを徹底する
- 毅然としたリーダーシップで褒めて伸ばす
- 信頼関係をしっかりとつくる
- 飼い主も一緒に楽しむ
大型犬なので基本的なオビディエンストレーニング(服従訓練)をしっかりいれるようにします。特に「待て」「座れ」などの制止の指示は必ず従えるように訓練しましょう。
スタンダードプードルは明るく頭がいいので、叱ることは最小限にして、褒めて伸ばすスタイルでしつけましょう。家族の中でしつけについて一貫性をもたせることも大切です。
なにより、飼い主も一緒にトレーニングを楽しむことが大切です。人間と一緒に何かをすることに喜びを感じるスタンダードプードルは、喜んで飼い主の指示に従ってくれるでしょう。
スタンダードプードルを飼う前の準備
- 迎え入れる費用について
スタンダードプードルの子犬の相場は20~60万円と幅広く、平均は35万円となっています。
血統によってその値段は大きく変わり、ドッグショーなどでチャンピオンになった犬を両親犬にもつ子犬はかなり高価になります。
オスよりメスの方が若干値段が上がります。これはメスは繁殖能力があることと、オスよりも大人しく飼いやすいと思われているため人気があるからです。
人気の毛色によっても値段が変わってきます。特に人気なのがアプリコットで、ブラックやホワイトの方がやや安くなります。
その他クレートやケージ、食器、おもちゃ、トイレ、首輪、リードなどの飼育用品。ブラシやシャンプーなどのお手入れ用品などが必要になってきます。
大型犬は飼育用品も値段があがるので、準備にかかる費用は、平均よりも高くなります。
- 飼い始めてからかかる費用について
お家に迎え入れて必要になるのが、畜犬登録(3000円前後)と狂犬病の予防接種(3500円前後)、混合ワクチン(5000~8000円前後)になります。
毎年かかる医療費は、狂犬病予防注射と混合ワクチンに加え、フィラリア薬7カ月分となります。予防薬は体重によって値段が変わるので、小型犬よりはコストがかかります。
繁殖の予定がなければ、避妊手術(3~5万円)、去勢手術(2~3万円)も考えておきましょう。
定期的にトリミングが必要です。大型犬なので時間がかかるため、必然的にトリミング代は高くなります。
他にも、ドッグフードやペットシーツの消耗品も小型犬よりは高価になります。病気になった時の医療費のことを考えてペット保険への加入なども検討しましょう。
- どこから迎え入れるのか
人気犬種ですが、ペットショップで見かけることは少ないです。基本的にはブリーダーからお迎えになります。
専門犬舎も数が多い方ではないので、希望の子犬に出会うまでは根気よく探すことになります。ブリーダーから迎えるメリットはとても多いので、ぜひ時間をかけて探してみてください。
- 両親犬やきょうだい犬と合わせてもらえる
- 犬種のスペシャリストであるブリーダーからアドバイスをもらえる
- お迎えしてからも悩みを相談できる
里親を希望する場合は、保護団体のHPなどで情報を得ることができます。スタンダードプードルが里親を募集しているかどうかはタイミングによります。気になったコがいたら問い合わせて、譲渡会などに足を運んでみましょう。
スタンダードプードルの飼い主の本音【飼いやすい?飼いにくい?】
飼いやすいという声
「とにかく頭が良くて従順。飼い主を困らせることがありません」
「小さな子どもや、他の動物に対しても優しいです」
「大きなぬいぐるみみたいで癒されます」
「優しくて社交的、ドッグランでは人間にも犬にもモテまくります」
「スタミナがあるので、旅行やアウトドアでも良き相棒です」
「抜け毛が少ないうえに体臭もほとんどなく、部屋の中で飼っていても気になりません」
見た目の愛らしさに加えて、頭がよくしつけしやすいのがポイントのようです。優しい性格なので、子どもとの相性もよく多頭飼いにも向いていますね。
抜け毛が少ないのはプードルを飼ううえでの最大のメリットです。そのため介助犬やセラピードッグなど、医療や介護の現場でも大活躍します。
運動好きでスタミナがあるので、アクティブな飼い主さんとも相性が良いです。
飼いにくいという声
「毎月のトリミング代が高すぎる。お金のかかる犬種です」
「運動量がすごいので体力に自信がないと飼えません」
「頭が良いぶん、きちんとしつけられないと手に負えない」
「抜け毛が少ないから楽だと思ったら、手入れが大変」
「寂しがりやでお留守番ができません」
「人見知りをして、知らない人には吠えてしまう」
一番のネックは飼育費用がかかることです。とくにトリミング代は毎月必要で、他の犬種にくらべてとても高くなります。
抜け毛は少ないですが、絡みやすい被毛は毎日のブラッシングが必要です。お手入れに時間と費用をかけられないと飼育は難しいでしょう。
頭がよい犬種なので、トレーニングはしっかりと行いましょう。苦手なものをつくらないようにする社会化もとても大切ですね。
スタンダードプードルの可愛い癒し画像集
スタンダードプードルに関するQ&A
【Q1】初心者ですが、スタンダードプードルを飼うことはできますか?
スタンダードプードルは大型犬の中でも飼いやすく、初心者の方にもおすすめできます。
しかし、しっかりとしたトレーニングが必要になってきます。しつけ教室やドッグトレーナーさんのもとで飼い主も一緒に学べるとよいです。
多くの運動量とお手入れ、飼育費用がとてもかかります。飼いやすい犬種ではありますが、飼育するうえでのデメリットをきちんと理解されてからお迎えしましょう。
【Q2】スタンダードプードルを屋外で飼うことはできますか?
スタンダードプードルは室内で飼うようにしましょう。寂しがりやで常に人間の側にいたい犬種で、家族と離されることに強いストレスを感じます。ストレスはさまざまな問題行動の原因になります。
またシングルコートのため暑さ寒さに弱く、被毛も汚れやすいので衛生面からみても屋外飼育は難しい犬種です。
【Q3】10カ月の子犬のいたずらが激しいです。成犬になったら直りますか?
大型犬は成長がゆっくりのため、心身ともに成熟するのは1歳半~2歳頃です。それまでは子犬の気質が残り、少々手を焼くかもしれません。
大変な時期ではありますが、根気よく良いこと悪いことを教えていくことが大切です。
また、運動不足によるストレスをいたずらで発散しているかもしれません。たっぷり運動をさせて欲求を満たしてあげるとよいでしょう。
正しくしつけられて、愛情と運動をたっぷり与えられたスタンダードプードルは、成犬になるとおどろくほど飼いやすくなります。