トイプードルを家族に迎えたいと思ったとき、値段はとても気になるところですね。ペットショップやブリーダーで探してみると、値段に差がありすぎてどう選んでいいのか迷ってしまいます。
もちろん気に入った子犬を選ぶのが一番ですが、どうしてショップやブリーダーによってこんなに値段が違うのでしょうか。それにはちゃんと理由があります。
この記事では、値段の違いやその理由などを詳しく説明していきます。これからトイプードルをお迎えしたいという方の参考になれば幸いです。
目次 -INDEX-
トイプードルの値段相場
子犬の値段設定には、時代の流行やトレンドに左右されることも多いです。
トイプードルは日本で大変人気があり、他の犬種よりも値段が高い傾向があります。トイプードルの平均購入価格は40~45万円ほどです。
トイプードルの値段に差がつくポイント
トイプードルに限らず、純血種にはJKC(ジャパンケネルクラブ)の定めた犬種のスタンダードが存在します。
スタンダードとは犬種ごとの標準的な見た目と、理想とされる姿かたちを定めたものです。販売価格を決定するひとつの基準となります。
この基準を踏まえたうえで、どんなところに値段の差がでるのかを説明します。
体つき
トイプードルの理想体形は、体高と体長の比率が1:1のスクエアタイプです。実はトイプードルでこのスクエアを完全にもっている個体はあまり多くありません。
脚が短めのドワーフタイプや、脚が長くスラリとした体形のハイオンなども人気です。
しかし、子犬のうちは成犬になった時の体形を見極めることが困難です。体形は遺伝によるところが大きいので、両親犬の体形から予測して値段に差がつくことがあります。
体つき以外にも可愛らしい顔立ちや、目鼻のバランスのよさで値段が上がることもあります。
サイズ
トイプードルの理想サイズは体高26~28cm、体重3~4kgです。日本では標準よりも小さなサイズが好まれるため、体重2kg以下のティーカッププードルや、2kg台のタイニープードルになると平均価格より10万円ほど高くなります。
しかし、成犬時の大きさが安定していない場合もあるので、両親犬の大きさによるところが大きいです。
性別
トイプードルはとても飼いやすく初心者にもおすすめできますが、オスよりも大人しく飼いやすいと言われる理由でメスの方が人気があります。
また、繁殖できることからブリーダーが手元に残しておくこともあります。そのため、需要と配給のバランスによりメスの方がオスの値段より5~10万円ほど高くなっています。
血統
JKCの主催するドッグショーや各競技会でチャンピオンになった犬と血縁関係のある子犬は相場よりかなり高価になります。スタンダードに基いた健全な犬種の育成と繁殖のために、ブリーダーの努力と手間がとてもかかっています。
また、海外の有名犬舎から輸入してブリーディングされた子犬もとても高価です。
トイプードル界では有名な、スマッシュ犬舎の血統を持つ個体を「スマッシュ系」と呼び、相場よりもかなり高い値段がつくことがあります。
優秀な血統をもつメスの場合は、ブリーダーが手元に残す場合が多く希少なので、オスよりもかなり値段が上がります。
ショードッグの値段は平均価格よりも 10〜50万円ほど高くなり、中には100万円を超える子犬もいます。
毛色
トイプードルはとてもたくさんの毛色があり、JKCが公認しているだけで14色があります。
人気のある順にレッド、アプリコット、シルバー、ブラック、ホワイトと続きます。
基本的に人気のあるカラーや、ブルーのように希少性のある毛色は高価になる傾向です。
毛色の他にも、被毛のなめらかさや毛量の多い子犬は見た目もよく、トリミングのアレンジが楽しめるので人気があり、高い値段が付くことがあるでしょう。
こんなトイプードルは相場よりも安い傾向に
ペットショップやブリーダーの紹介する子犬が、相場よりも安く設定されていることがあります。
安くなっている理由をしっかり説明できるショップやブリーダーを選ぶとよいでしょう。
噛み合わせが悪い
歯の噛み合わせが悪い場合、値段が下がることがあります。口を閉じたときに下の歯が上の歯よりも前に出てしまうアンダーショットと、上下の前歯の間に隙間ができるオーバーショットです。受け口と出っ歯という言い方だと分かりやすいかもしれません。
犬種によっては許容される場合がありますが、トイプードルにとっては欠点となります。
出べそ
犬の出べそは「臍(さい)ヘルニア」と呼ばれる疾患です。遺伝による先天性であることが多いですが、まれに後天的に発症することもあります。
生まれてから間もなく、通常であればは自然と閉じるおへその穴が閉じることなくおへその部分から臓器や組織が飛び出してしまうと臍ヘルニアとなります。
穴が小さく中身が脂肪の場合は、ほんの少しのふくらみが感じられる程度で、痛みもないので気にすることはあまりないでしょう。
しかし、穴が大きかったり、中身が臓器の場合は手術、治療が必要になります。
子犬の出べそはめずらしくありませんが、近い将来、治療と手術が必要になる可能性があるため、子犬の値段が下げられる場合があります。
ミスカラー
JKCが公認しているカラーは14色ですが、トイプードルの毛色は全て単色が理想とされています。
なので、体の一部に違う色が混じったり、濃淡が強めに出てしまう毛色は「ミスカラー」または「パーティーカラー」と呼ばれます。
原因は不明ですが、遺伝的な要素が強いので、ブリーダーはミスカラーの犬を繁殖させることはありません。
ペットショップなどでも、単色が好まれるので、ミスカラーの子犬は値段が下げられる場合があります。
すでに成長している
犬を飼うなら子犬のうちからと希望する人が多いでしょう。子犬の成長は早く、生後半年を過ぎると子犬らしさから少し成犬に近づいてきます。
1歳をすぎるとほぼ成犬と変わらなくなってくるので、値段を下げてできるだけ早めに販売する傾向です。
その他の欠点
その他の欠点として多く見られるのが、喧嘩や事故などでどこかにケガをしている場合です。治療済みで完治はしていても、欠点として値段を下げられていることがあります。
また、食欲にムラがある、あまり活発ではないという理由で値段を下げている場合もあります。
毛量がすくない、目が小さい、涙やけが多いなどの見た目に関する理由で安くなっている子犬もいます。
場合によっては病気が原因のこともあり、治療が必要になってくる場合があります。ショップやブリーダーからしっかりと説明を聞いておく必要があるでしょう。
トイプードルはどこから迎え入れる?
トイプードルをどこからお迎えするか、選択肢は3つです。それぞれのメリット、デメリットをご紹介します。
ブリーダー
ブリーダーから購入する最大のメリットは、両親犬に会わせてもらえ、きょうだい犬の中から子犬を選べることです。成長した時の性格や大きさなど把握しやすく、自分好みのトイプードルを探すことができます。
遺伝性疾患に関する知識も豊富で、病気になりにくく健康な子犬に出会うことができるでしょう。また専門家としての飼育のアドバイスや、お迎えした後のアフターフォローなどもしてもらえることもあります。
また、ペットショップを仲介しないので、その分値段が抑えられていることが多いです。また、お迎え直前まで親犬やきょうだいと一緒に過ごすので、犬同士の社会化ができているのも大きなメリットです。
デメリットとして、何回かブリーダーのもとに通わなければいけないことと、希望の子犬に出会うまで時間がかかる場合があるという事です。
そして一番気を付けたいのは、悪質なブリーダーの存在です。日本ではトイプードルはとても人気があるので、不衛生な環境で無理な繁殖を繰り返すブリーダーも少なくありません。
犬舎の見学を拒否されたり、購入を急がせたり、こちらの質問に対して好意的でなく答えられないなどがあったら注意した方が良いでしょう。
ペットショップ
ペットショップから購入するメリットは、気に入った子犬がいたらその場でお迎えすることができる手軽さにあります。
また飼育用品をショップで全て揃えられ、店員さんからのアドバイスもきけるので色々と迷うことがありません。
ショップによっては動物病院やトリミングサロンなどを併設しているところもあるので、飼育全般に対するフォローをしてもらえます。
デメリットとしては、ブリーダーから購入するよりは高めの価格設定ということです。これは人件費や仲介料などが別途かかることや、お店全体の利益などに準ずる価格設定がされていることがあるからです。
また、両親犬などの情報が少なく遺伝性疾患の発症リスクや、成犬になったときの大きさや性格などの予測がやや難しいところです。
売れるまでに時間のかかる子は、大切な社会化期をショップ内だけで過ごすという問題もあります。
里親サイト
最近では、保護犬を家族に迎えるという選択をされる方も増えてきました。里親としてお迎えしたいという場合は、ネットなどで里親を募集している保護団体を探します。気になった子がいたら、問い合わせて譲渡会などに足を運んでみましょう。
里親になるメリットは、譲渡になるので購入価格がないことです。ただしすべて無料というわけではありません。お迎えにあたっての健康診断やマイクロチップの装着と登録、ワクチンや去勢・避妊手術などの医療費を一部負担する場合もあります。
ほとんどが成犬でのお迎えなので、性格や気質などをしっかり理解したうえでお迎えできます。また基本的なしつけができている子もいるので飼いやすいです。
譲渡前にトライアル期間を設けていることが多いので、先住動物の相性や飼育に不安のある方でも安心ですね。
里親になるデメリットは、子犬の里親募集はほとんどありません。保護されたトイプードルは何らかの事情や原因があって里子にだされているので、それを理解したうえでお迎えしましょう。
また、一定の条件や審査があるのでそれをクリアしなければいけません。なので自分の希望が通らないこともあります。なにより、二度と悲しい思いをさせない覚悟でお迎えする必要があります。
トイプードルの飼育に向いている人の特徴
飼い主さんのライフスタイルによってはトイプードルとの生活をより楽しむことができます。どんな人が飼育に向いているのかを見ていきましょう。
トリミングなどにお金をかけられる
トイプードルの被毛はカットしないとずっと伸び続けてしまいます。毛が伸びるスピードも早いので、定期的にトリミングをする必要があります。1回のトリミング代は5000~8000円ほどで、約3週間に1度の頻度でトリミングしましょう。
トイプードルにはさまざまなカットスタイルがあり、おしゃれを楽しむ飼い主さんがとても多いです。また、可愛いので洋服を何着も揃えたくなってしまうでしょう。
そのため、トイプードルは比較的お金のかかる犬種と言えます。
時間に余裕がある人
もともと狩猟犬で活発でアクティブな犬種なので、たっぷりのお散歩と運動をさせる必要があります。普段のお散歩以外にも、ドッグランで自由に走らせたりしてもよいでしょう。人間が大好きで、寂しがりやな面があるのでお留守番は苦手な子が多いです。
また、抜け毛は少ない犬種ですが抜け毛は床に落ちず、周りの毛にからまります。そのため、毛玉になりやすいので、毎日ブラッシングをして取り除いてあげる必要があります。
毎日の散歩や運動と、お手入れの時間をしっかり取れる飼い主さんが向いている犬種です。
しつけができる人
トイプードルはとても頭がよく、しつけもしやすいです。全犬種の中でも、ボーダーコリーに次いで頭のいい犬種といわれています。
そのため飼い主の行動を読んで先回りしたり、悪知恵が働く時もあります。吠えたり、噛んだりすることで人間をコントロールできると学習させないようにします。
飼い主さんがしっかりとした主導権を持たないとわがままになりやすいので、毅然としたリーダーシップを持つようにしましょう。見た目の可愛らしさから、甘やかすことのないように、しっかりとしつけのできる飼い主さんが向いています。
まとめ
子犬の値段が高かったり、安かったりするさまざまな理由を説明しました。大切なのは値段をあまり重視せず、自分の気に入った犬を選ぶことです。欠点は必ずしも欠点ではなく、特別な場合をのぞき個性になります。
値段の下がる理由の大半は健康に問題がなく、普通の個体となんら変わりはありません。ミスカラーがあったとしても、その個性的な毛色に魅力を感じることもあるでしょう。成犬から迎えることにも十分メリットがあります。
ぜひ、自分にとってのオンリーワンの出会いを見つけてもらえたらと思います。