狼みたいな犬種5選!ウルフドッグの特徴やオオカミみたいな見た目の犬を紹介!

狼みたいな犬「ウルフドッグ」とは?

ウルフドッグは日本でも狼みたいな犬としてそのワイルドな容姿にあこがれペットとして飼育している飼い主がいます。あなたもウルフドッグという呼び名を聞いたことがあるでしょう。

ここでは、近年日本でも愛好家が増加しているウルフドッグはどのような犬なのかを考えます。さらに、狼のような犬といわれる犬種と日本でのウルフドッグの飼育・ウルフドッグを飼育するときの注意点について詳しく解説しましょう。

目次 -INDEX-

狼みたいな犬「ウルフドッグ」とはどんな犬?

狼みたいな犬「ウルフドッグ」とはどんな犬?

犬の祖先は狼ということはほとんどの方が知っていますよね。そして長い年月をかけて狼とは違う人と一緒に生活をすることができる「犬」が作られてきました。

しかし、近年狼のような容姿を持ったウルフドッグが海外で作出されるようになってきました。

本記事では日本でまだあまり飼育されていないウルフドッグの歴史・性格・特徴などについて詳しく解説しましょう。

ウルフドッグの歴史

ウルフドッグは、人に飼いならされた狼とジャーマンシェパード、アラスカン・マラミュート、シベリアンハスキーなどの純血の犬を交配させて作出された犬です。

もともとは軍用犬として1932年にオランダのサンロースによってジャーマンシェパードのオスと狼のメスを交配させ作出されました。その後、アラスカン・マラミュートなどの犬との交配が行われるようになりました。

現在では狼の特徴を持っているため軍用としてではなく、家庭用のペットとして飼育されるようになっています。

ウルフドッグの性格・特徴

ウルフドッグは狼の遺伝子をどのくらい有しているか・どのような犬種と交配させたかによってその性格や特徴が違っています。

ただ一般的には、野生としての本能が強いためとても警戒心が強く一度仲間と認めた相手には従順でよくなつきます。その反面、仲間以外には攻撃的になる可能性があります。

また、野生が強い個体の場合、ウインター・ウルフ・シンドロームという狼の繁殖期である10月から4月にかけて攻撃性が増す傾向にあります。

ウルフドッグのサイズ

ウルフドッグは、狼と犬を交配させてできた犬の総称です。そのため狼をどの犬種と交配させたかによってウルフドッグのサイズは違ってきます

つまりウルフドッグとは狼のような犬を便宜上まとめて呼ぶときの呼称であり、犬種ではないということになります。

そのため、ウルフドッグのサイズには大きな差があり、一般的なミックスと同じように個体差が大きいといえるでしょう。

平均体高オス:60cm~80cm
メス:60cm~80cm
平均体重オス:41kg~70kg
メス:41kg~70kg

ウルフドッグの毛色

ウルフドッグは、さまざまな犬種とのミックスと考えられるため毛色はさまざまなものがあります。

代表的な毛色は「ウルフグレー(アグーチ)」「ブラックフェーズ」「ブルー」「チョコレート」「ホワイト」などです。

なかでもとくに黒・白・茶が混ざったシベリアンハスキーのような毛色の別名アグーチといわれるウルフグレー・漆黒の黒を基調としたブラックフェーズ・アッシュカラーでとくに人気の白とアッシュグレーが混ざったブルーフェーズが多くみられます。

ウルフドッグの写真

ウルフドッグは、狼の遺伝子を持った狼のような犬。そしてウルフドッグは狼のような鋭い目と俊敏さをうかがわせる体型をしています。

実際には日本ではあまり出会うことがないウルフドッグの写真をいくつか紹介しましょう。

ローズウルフとは?

ローズウルフとは?

ローズウルフは、日本で狼犬を家庭用で飼育しやすいように改良しているブリーダーの犬舎の名前であり犬種名ではありません

ローズウルフは、アメリカ・カナダ・フランス・オーストラリアから輸入した親犬から繁殖させた犬舎独自の狼のような犬と考えられます。

狼としての要素を全く打ち消すことはできませんが、できるだけ家庭で飼育しやすく遺伝的にも問題のない犬を繁殖させることをモットーとしています。

狼みたいな犬種を5つ紹介

狼みたいな犬種を5つ紹介
狼みたいな犬種
  • 狼みたいな犬種①シベリアン・ハスキー
  • 狼みたいな犬種②アラスカン・マラミュート
  • 狼みたいな犬種③ノーザン・イヌイット・ドッグ
  • 狼みたいな犬種④チェコスロバキアン・ウルフドッグ
  • 狼みたいな犬種⑤サーロス・ウルフボンド

ウルフドッグは犬種として認められている犬は数少なくあくまでもミックスとして扱われています

狼のような犬としてFCIに認められている犬種は、シベリアン・ハスキー、アラスカンマラミュート、チェコスロバキアン・ウルフドッグ、サーロス・ウルフボンドです。ノーザン・イヌイット・ドッグはFCIに認定はされていません。

ここでは狼のような犬として知られているこれら5つの犬種について性格や写真などを紹介しましょう。

狼みたいな犬種①シベリアン・ハスキー

狼みたいな犬種①シベリアン・ハスキー

シベリアン・ハスキーはシベリアの北東部に居住していたチュクナ族が飼育していた犬です。

1909年にアラスカで開催された犬ぞりのレースのためにアラスカにわたり、素晴らしい成績を残したことで世界中に知られるようになりました。

もともとはシベリアン・チュチースと呼ばれていましたが、遠吠えする声がハスキーであったためシベリアン・ハスキーと呼ばれるようになりました。

平均体高オス:53.5~60cm
メス:50.5~56cm
平均体重オス:20.5~28kg
メス:15.5~23kg
原産国アメリカ合衆国

シベリアン・ハスキーの性格

とても友好的で明るい性格を持っています。その反面用心深いところもありますが、攻撃性は見られないため番犬には向かないでしょう。

また、とても頑固で不器用な側面があるため、頭が悪いといわれることがあります。本来は犬ぞりを引くことができるほど利口で活発・めげない性格でつねに前向きな犬といえるでしょう。

シベリアン・ハスキーの写真

シベリアン・ハスキーは、たち耳の寒さに耐えることができるほどの分厚いアンダーコートを持ったダブルコートの犬です。

作業犬として均整の取れた骨格と筋肉はしっかりとしており、十分な皮下脂肪を蓄えています。その狼のような均整の取れた体型と容姿はとても魅力的といえるでしょう。

狼みたいな犬種②アラスカン・マラミュート

狼みたいな犬種②アラスカン・マラミュート

アラスカの西海岸沿いに住むマラミュート族というアメリカ・エスキモーが犬ぞりや狩猟・漁業に作業犬として使用していた犬です。

1909年に開催された犬ぞり大会以降さまざまな犬種と交配されましたが、1926年以降改良がくわえられ1935年に純血種としてAKCに登録されました。

アラスカン・マラミュートは、北極圏に居住する最古のそり犬のひとつです。

平均体高オス:63.5cm
メス:58.5 cm
平均体重オス:38kg
メス:34kg
原産国アメリカ合衆国

アラスカン・マラミュートの性格

アラスカン・マラミュートの性格は穏やかで人に対してとても従順で、飼い主と遊ぶことがとても好きです。

本来仲間と一緒に犬ぞりを引いていた犬種なのでほかの犬種とも友好的に過ごすことができますが、あまりまとわりつかれると怒ることがあります。

また、とても頑固な側面があるので子犬の頃からしっかりとしつけることが大切です。

アラスカン・マラミュートの写真

アラスカン・マラミュートはよくシベリアン・ハスキーと容姿がよく似ているため混同されることがありますが、アラスカン・マラミュートの方がシベリアン・ハスキーよりも一回り大きい体をしています。

またとてもしっかりとした体形をしており、作業をすることに適した体つきをしています。ここではアラスカン・マラミュートの写真を紹介しましょう。

狼みたいな犬種③ノーザン・イヌイット・ドッグ

狼みたいな犬種③ノーザン・イヌイット・ドッグ

ノーザン・イヌイット・ドッグは、イギリスで1980年代により狼に近い容姿を持った犬を目指して作出された新しい犬種です。ただ、どのケネルクラブもまだ犬種としては認めていません。

基本となる犬は北アメリカから輸入された5頭の詳細が分からないシベリアン・ハスキーといわれています。

より外見を狼に似せるためにアラスカン・マラミュートやジャーマン・シェパードなどとの交配を繰り返すことで現在に至っています。

平均体高オス:58.4~ 81.2㎝
メス:58.4 ~71.1㎝
平均体重オス:35.8~50㎏
メス:24.7~38.1㎏
原産国イギリス

ノーザン・イヌイット・ドッグの性格

ノーザン・イヌイット・ドッグは、とても飼い主に忠実で友好的な犬なので番犬には向きません。

狼に似るように交配されているため、狼のような側面がありしつけはとても難しくプロの訓練士に任せる方が良いといわれています。

ただしっかりとしつけられたノーザン・イヌイット・ドッグは、最高のコンパニオン・ドッグになるでしょう。

ノーザン・イヌイット・ドッグの写真

ノーザン・イヌイット・ドッグは、基本的にはミックスなのでその姿を見ることはほとんどないといえます。

もし日本でノーザン・イヌイット・ドッグを見かけたときは、ほとんど輸入された個体と考えてよいでしょう。日本ではとても珍しいノーザン・イヌイット・ドッグの写真を紹介しましょう。

狼みたいな犬種④チェコスロバキアン・ウルフドッグ

狼みたいな犬種④チェコスロバキアン・ウルフドッグ

チェコスロバキアン・ウルフドッグは、1955年に旧チェコスロバキアで行われた生物学的実験にって生み出された犬種です。

1965年に実験が終了した後チェコ・スロバキアのブリーダーが繁殖を続けることで、1982年にFCI(国際畜犬連盟)で犬種として認められました。

チェコスロバキアン・ウルフドッグは多く作出されているウルフドッグの中でFCIに公式に認定されたウルフドッグです。

平均体高オス:最低65cm
メス:最低60cm
平均体重オス:最低26kg
メス:最低20kg
原産国旧チェコスロバキア

チェコスロバキアン・ウルフドッグの性格

チェコスロバキアン・ウルフドッグは、とても活発で物おじしない性格です。他の犬種と比較しても持久力があり、多くの運動を必要とする犬種です。

しっかりと訓練することで飼い主に従順になり、小さな子どもとも一緒に暮らすことができます。ただ十分な訓練が行われない場合は、主従の関係が逆転してしまう可能性があるので注意が必要です。

チェコスロバキアン・ウルフドッグの写真

チェコスロバキアン・ウルフドッグは、JKCにも公認されているウルフドッグです。ただ、登録頭数も少なく遭遇することはほとんどないといえます。

ここでは外見が狼にとてもよく似ているチェコスロバキアン・ウルフドッグの写真を紹介しましょう。

狼みたいな犬種⑤サーロス・ウルフボンド

狼みたいな犬種⑤サーロス・ウルフボンド

サーロス・ウルフボンドは、1925年、オランダのリンデルト・サーロースによって狼のメスとジャーマン・シェパードを交配させることから始まりました。サーロースは、古代の犬の優秀な能力を取り戻すことを目的としてサーロス・ウルフボンドを作出しました。

ただ、狼としての能力を強く有しているため訓練するためには高度の技術を必要とすることで費用がかさみ実用化は見送られました。

現在はその狼のような容姿を生かし1975年にFCIに認定されショードッグや家庭犬として愛好家によって大切にされています。

平均体高オス:65 ~75 ㎝
メス:60~70㎝
平均体重オス:30~40㎏
メス:30~40㎏
原産国オランダ

サーロス・ウルフボンドの性格

サーロス・ウルフボンドは狼と犬の中間のような容姿を持っていますが、その性格はより狼に近といえるでしょう。

とても内向的で従順なためしっかりと訓練することで飼い主との信頼関係を培うことで忠実な犬となるでしょう。飼い主に対する愛情はとても深く、優しい性格で遠吠えのほかはほとんどほえません。

サーロス・ウルフボンドの写真

サーロス・ウルフボンドは、古代の犬が持つ能力を強く持っており見た目は犬と狼の中間の容姿をてしています。ただ、日本ではほとんど見かけることはない犬種といえるでしょう。

ここではウルフドッグの犬種としてFCIに認定されているサーロス・ウルフボンドの写真を紹介しましょう。

日本で見られる狼みたいな犬

日本で見られる狼みたいな犬

日本では狼みたいな犬の中で現在ジャパンケネルクラブに登録されているのはシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュートです。

チェコスロバキアン・ウルフドッグやサーロス・ウルフボンドもFCIに認定されていますが、日本では見かけることはないようです。

そのため日本で購入することができるウルフドッグといわれる犬はミックスということになります。

  • シベリアン・ハスキー
  • アラスカン・マラミュート

出典:JAPAN KENNEL CLUB「2022年(1月~12月)犬種別犬籍登録頭数」

狼みたいな犬を飼う際に知っておきたいポイント

狼みたいな犬を飼う際に知っておきたいポイント

シベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートのように狼みたいな犬は、少なくとも狼の遺伝子を持っている犬種です。

そのため、狼の性質を有していると考えられるでしょう。やはり狼みたいな犬を一般家庭で飼育するためには様々なハードルがあり、少なくとも狼みたいな犬の性格や特性を十分知る必要があるといえます。

下記に狼みたいな犬を飼育するうえでとくに飼い主として知っておくべきポイントを解説しましょう。

そもそも日本でオオカミ犬を飼うことはできるのか?

日本では狼の遺伝子を持つといわれる犬種の中でシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュートを飼育するうえで特別な規制はありません

多くのウルフドッグは、ミックスとして扱われており、現在日本ではブリーダーはとても少なくほとんどの個体は海外からの輸入によるものです。そのなかでも日本では、狼と犬との交配で生まれた第一世代の飼育は特定犬として飼育が禁止されています。

基本的には第2世代からの飼育は可能ですが、各自治体によって届け出義務や飼育環境などの規制がありますので必ずお住いの自治体に確認しましょう。

運動量がかなり多いため散歩の時間は十分確保

ウルフドッグは、野山を自由に駆け回り獲物を追いかけていた狼の血を引いているためとても多くの運動量が必要になります。

ウルフドッグの散歩は1回に1時間から2時間ほどで朝夕の2回必要になります。しっかりとした散歩をすることでストレスが蓄積しにくくなり、室内でも落ち着いて生活することができるでしょう。

飼うのが難しい犬種が多い

ウルフドッグは狼の要素を多く持っており、とくにハイコンテンツの個体は狼の要素が強いため攻撃性が伴うことがあります。

ウルフドッグとしてFCIに認定されている犬種においても非常に飼うことが難しいといわれています。狼のような性格を持っているため通常の犬を飼うような心構えではウルフドッグを飼育することは難しいでしょう。

適切な飼育環境を整える

ウルフドッグは、6ヶ月ころまでの子犬の時期は室内で一緒に過ごすこともできますが、6ヶ月を過ぎたころから新しいことや環境の変化が苦手になってきます。

そのため、成犬になるころにはウルフドッグを飼育するための適切な広さのある飼育スペースが必要になります。

また、もともと仲間と一緒に生活し仲間との絆を大切にしているウルフドッグにとって1頭での飼育は大きなストレスとなりトラブルの原因になります。ウルフドッグを飼育するときは、多頭飼いをすることをおすすめします。

場合によって躾はトレーナーに依頼する

ウルフドッグは大きくなるにしたがって警戒心が強くなかなか心を許さなくなる傾向にあります。訓練性が低いためなかなか飼い主だけではしつけることが難しく、専門家によるしっかりとしたしつけが必要な場合がほとんどです。

飼い主とのしっかりとした信頼関係ときずなを作るためにも子犬の頃からトレーナーに依頼することが大切です。

「野生味の溢れた狼のような犬」を迎える時はしっかり検討しましょう

「野生味の溢れた狼のような犬」を迎える時はしっかり検討しましょう

野性味の溢れた狼のような犬としてウルフドッグを迎えたいと思う方も多いことでしょう。ただ、ウルフドッグは狼としての性質をしっかりと残している犬です。普通の犬と同じように飼育することはとても難しく、人に慣れにくい犬であるという認識をしっかり持つことが大切です。

ウルフドッグはしっかりとしたしつけと信頼関係がなければ時として飼い主を襲ってしまう可能性があります。ウルフドッグは犬を飼うことに慣れたうえで十分な知識を持って飼育する必要があるため、ウルフドッグを飼いたいと思ったときはしっかりと検討することが大切です。

ABOUT US
Homeeeペットマガジン編集部
Homeeeペットマガジンは、おすすめの動物病院やペットフード、ペットサロンに関する情報をお届けするペット情報メディアです。 日頃から動物に関わりがあるメンバーが、正確でわかりやすい記事にしてご紹介いたします。