小さな体に元気をいっぱい詰め込んだようなジャックラッセルテリアは、イギリス原産の小型犬です。
テレビや映画でも大活躍で、ジャックラッセルテリアを愛する著名人も多いですね。その反面、初心者が飼うのは難しい犬種ともいわれています。
ジャックラッセルテリアは家庭犬としても、素晴らしい気質をもっています。しかし、飼い主を選ぶ犬種でもあるので、お家に迎え入れる前に知っておくべきことがあります。
ここでは、ジャックラッセルテリアの歴史から性格、しつけのポイントと病気までを解説していきます。
目次 -INDEX-
ジャックラッセルテリアの基本情報
歴史
1800年代のイギリスで、ジョン・ラッセル牧師によって作出された狩猟犬がジャックラッセルテリアの基礎となっています。
1819年に当時学生であったラッセル氏は、偶然出会ったメスのテリア犬をとても気に入り、キツネ狩りに特化した猟犬の作出に励みます。
外見よりも猟犬としての能力や気性を重視して、小型のテリアを中心にさまざまな犬種が交配に使われました。そのため、ジャックラッセルテリアは「究極のミックス犬」と呼ばれることもあります。
ハンター達からは狩猟能力を高く評価され、犬種名が「ジャックラッセルテリア」と固定されていきました。
オーストラリアに渡ったジャックラッセルテリアは、ペットとしての改良も行われます。ウェルシュ・コーギーなどが交配に使われ、短脚でやや温厚な、現在のジャックラッセルテリアが誕生します。
大きさ(サイズ)
- オス
- 体重 5~6kg
- 体高 25~30cm
- メス
- 体重 5~6kg
- 体高 25~30cm
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
オス、メスとも大きな体格の差はみられません。改良に多くの犬種が複雑に関わっているため、大きさに個体差が出やすいです。
この範囲を超えてしまっても問題はありません。体高5cmにつき、体重1kgを目安にするとよいでしょう。筋肉質で引き締まった体つきが理想なので、肥満にならないように注意します。1歳を過ぎる頃に成長が止まるので、その時期に体格を確認してみましょう。
寿命
ジャックラッセルテリアの寿命は13~16才です。遺伝性疾患も少なく丈夫で、長寿の傾向があります。活発でパワフルなのでシニアになっても若々しく見えます。
とても多くの運動量が必要な犬種なので、運動不足が大きなストレスになるほか、肥満になりやすい犬種です。
ストレスをためない生活環境と、適切な食事のコントロールをすることで健康寿命も伸ばしてあげることが大切です。
近年では獣医療の発達や、ドッグフードの品質向上などで犬の平均寿命は上がってきています。
ジャックラッセルテリアの性格
明るく遊び好き
運動と遊ぶことが大好きで、明るい性格をしています。どこかユーモラスで、いつも家族を楽しませてくれる元気いっぱいの犬種です。
飼い主さんと一緒に行動することが大好きなので、旅行やアウトドアなどアクティブなことが好きな方と相性がよいでしょう。
ジャックラッセルテリアは信頼している家族には忠実で、よく言うことをききます。一貫性のないしつけは犬を混乱させてしまいますので、家族全員でしつけについて意見を一致させておくことが大切です。
また、活発ゆえに吠え癖がつきやすいため、しっかりとしたしつけ・トレーニングが必要です。
頑固で負けず嫌い
意欲的でパワフルなテリアとしての気質が多くみられます。思い込んだら一直線で、喧嘩っぱやいところもあるので、他の犬との接触には注意しましょう。
頑固なので、嫌なものは頑なに拒否します。警戒心の強い面もみられるので、子犬のうちに苦手なものなどを作らないように社会性を身につけさせておくことが大切です。
負けず嫌いな性格はドッグスポーツなどで本領を発揮するでしょう。運動好きな飼い主さんならぜひチャレンジしてみてください。
好奇心が強く、勇敢
猟犬としての気質を多く残しているので、目の前で動くものに対して本能で追いかけようとします。なので猫や小動物などとの共生は難しいかもしれません。
恐いもの知らずで勇敢なので、散歩中に出合う車やバイクに平気で近づいていくことがあります。刺激に対して興奮しやすい性格なので、飼い主さんが常にコントロールできる状態にしておきます。
好奇心が強いので、部屋の中のいたずら防止は徹底した方がよいでしょう。
ジャックラッセルテリアに必要な運動量
小型犬にもかかわらず大型犬並みの運動量を持っています。タフでスタミナもあり、身体能力がとても高いです。
1日2回、それぞれ1時間以上の散歩が必要です。歩かせる以外にもロングリードを使ってボールを追いかけさせたり、ドッグランで自由に走り回れる運動を取り入れるとよいでしょう。
また、家の中でもできるだけ体を動かす遊びを取り入れましょう。おやつやおもちゃを隠して探させる、ゲーム感覚の遊びもおすすめです。
運動量の満たされたジャックラッセルテリアは情緒が安定し無駄吠えもなく、とても飼いやすくなります。
ジャックラッセルテリアの飼い方
ポイント1 たっぷりの運動と散歩が必要
ジャックラッセルテリアにとって運動不足は大きなストレスになります。ストレスは攻撃性を高めたり、無駄吠えなどの原因にもなります。
運動量も多い犬種のため、散歩と運動の時間をしっかり取れない飼育環境では難しい犬種です。
おすすめしたいのがアジリティなどのドッグスポーツです。ジャックラッセルテリアはドッグスポーツ界においての花形犬種です。広いフィールドをいきいきと走り回る姿こそが、この犬種本来の姿といえるでしょう。
飼い主さんの体力も必要となるため、アクティブで運動好きな家庭に向いている犬種です。
ポイント2 基本的な服従訓練の徹底
猟犬の気質を色濃く受け継いでいます。吠えやすく興奮しやすいので、いつでも飼い主が犬をコントロールできるようにしておきます。
基本的な服従訓練の徹底と、どんなときでも飼い主の指示を聞けるように、信頼関係を築いておくことが大切です。犬の性格によっては、しつけ教室などでドッグトレーナーの指導のもと学ばれるのをおすすめします。
また、子犬の時期の社会化はとても重要です。屋外でのさまざまな刺激と、猫や鳩などといった小動物などにも慣れさせておきましょう。
ポイント3 肥満にならないように注意
ジャックラッセルテリアは肥満になりやすい犬種です。去勢や避妊をしたことによって太りやすくなったり、シニアになって運動量が減ってくるタイミングで体重が増えたりします。
運動量も多くよく食べるので、カロリー消費のバランスが崩れやすいのが原因です。普段からこまめに体重を測って、変化に気付けるようにしておくとよいでしょう。
小型犬の肥満は骨や関節に負担になり、ヘルニアや心臓病の原因にもなります。その子のライフステージに合った食生活を心がけるようにしましょう。
ジャックラッセルテリアのかかりやすい病気・疾患
膝蓋骨脱臼
膝のお皿が、内側や外側に外れることで発症する疾患です。小型犬に多くみられ、先天性の場合もありますが、怪我が原因でも発症します。
運動量が多く活発に動くジャックラッセルテリアは、丈夫な四肢をもっていますが膝への負担から発症することが多いです。
室内では滑りやすい床にはマットを敷いたり、大きな段差にはステップを置いてあげたり、脚に負担をかけない飼育環境を作ってあげることで予防しましょう。
レッグペルテス病
太ももの骨と骨盤を連結している骨頭の血流が悪くなり、壊死してしまう病気です。生後1年未満の子犬に発症することが多く、原因は不明です。特定の犬種に出やすいため、遺伝的な要素があると思われます。
症状は足を引きずったり、痛みのある脚をかばって3本脚で歩くなどです。それまで普通に歩けていたのに急に症状が出ることもあります。
治療は外科手術で、壊死部分を取り除きます。手術が遅れると筋肉の萎縮が起こり治療が困難になるので、日頃から歩き方などを観察し、気になったらすぐに動物病院を受診しましょう。
糖尿病
ジャックラッセルテリアは遺伝的に糖尿病になりやすい傾向があります。肥満や食べすぎなどの要因の他、膵臓の機能低下による糖尿病を発症するケースもあります。
症状は、飲水量が増えたり、おしっこの量や回数が増えるなどです。その他、食事量は変わっていないのに体重が減ってきたり、お腹が膨れるなどもあります。
症状が進行すると、糖尿病からくる白内障を併発することもあります。気になったら早めに動物病院を受診しましょう。
予防法は、食事時に血糖値を一気にあげさせない工夫をすることです。早食い防止のフードボウルを使ったり、1日の食事回数を多めにして与えるとよいです。
ジャックラッセルテリアにおすすめのドッグフード
【全年齢向け】ジャックラッセルテリアにおすすめのドッグフード
活発で運動量が多いジャックラッセルテリアには、動物性たんぱく質が豊富に含まれているドッグフードをおすすめします。
太りやすく糖尿病にもなりやすい体質なので、高たんぱく低カロリーのものを選ぶとよいです。
先天的に関節に疾患のある子もいます。骨や関節によいとされる成分が入っているフードを選ぶと、症状を和らげる効果があるでしょう。
ここで、ジャックラッセルテリアにおすすめのドッグフードを紹介します。
モグワン
価格 | ¥4,356(税込)/1.8kg |
対応年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキン |
原産国 | イギリス |
モグワンは総量の53%のチキンとサーモンを使ったプレミアムドッグフードです。動物性たんぱく質が豊富に含まれているので、運動量の多いジャックラッセルテリアには理想のドッグフードと言えるでしょう。
高たんぱくで低カロリーなので、肥満になりやすいジャックラッセルテリアにも安心して与えられます。野菜や果実などの栄養素もバランスよく配合されていて、犬には消化しにくい穀物類はいっさい使用されていません。
また、魚油由来のオメガ3脂肪酸が含まれていることで免疫力が上がり、美しい被毛のコンディションを保ってくれます。もちろん、保存料や合成着色料をいっさい使用していない無添加のドッグフードです。
興味のある方は、ぜひお試しください。
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【パピー・老犬向け】ジャックラッセルテリアにおすすめのドッグフード
育ち盛りの子犬や、顎や歯の弱ったシニア犬には嗜好性が強く、食べやすいウェットタイプがおすすめです。水分もしっかり取れるので、あまり水を飲まないという子にも安心です。ドライフードと併用したり、ローテーションしてもよいですね。
少量でしっかり必要な栄養が摂取できる、バランスのとれたフードを選びましょう。
カナガン
価格 | ¥3,520/400g×3缶 |
対応年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキン |
原産国 | ドイツ |
カナガンは新鮮なチキンの生肉を65%も使用しています。動物性たんぱく質も豊富で、ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物もバランスよく配合されています。
主食としての栄養バランスも優れていて、ドライフードのトッピングにも最適です。保存料や合成着色料も使用していない完全無添加なので、アレルギーが心配な子にも安心して与えることができます。
人間でも食べられる「ヒューマングレード」食材を使用。手作り食にしたいけれど、栄養のバランスが心配という方にぜひおすすめしたいフードです。
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ジャックラッセルテリアのしつけのポイント
- 信頼関係をしっかり築く
- 子犬の時期の社会化トレーニング
- 「待て」と「来い」のトレーニングを徹底する
- 根気よく一貫性のあるしつけをする
飼い主と信頼関係をしっかり結べるかどうかで、しつけのしやすさは変わってきます。ジャックラッセルテリアは飼い主に忠実で賢いので、頼れる理想のリーダーになりましょう。
優秀な猟犬の気質は、ときに人間社会でトラブルになることもあります。子犬の時期にたくさんの刺激に慣れさせておきます。
また、子犬の時期の噛み癖に悩まされる飼い主さんも多いようです。根気よく正しいトレーニングを続けていく必要があります。
興奮しやすく、猪突猛進なところがあります。「待て」と「来い」の制御の指示には従えるようにしておきましょう。どんな状況にも落ち着いていられるとよいです。
家族の中でしかり方や褒め方がバラバラにならないよう、しつけのルールに一貫性を持たせましょう。
頑固な性格で、なかなかトレーニングがうまくいかない時もありますが、根気よく続けることが大事です。時にはドッグトレーナーなどの専門家に頼ることもおすすめします。
ジャックラッセルテリアを飼う前の準備
- 迎え入れる費用について
ジャックラッセルテリアの子犬の相場は20~40万円です。オスよりメスの方が飼いやすいという理由から人気があり、高価な傾向があります。ペットショップから迎えるか、ブリーダーから迎えるかでも値段に差があります。
その他クレートやケージ、食器、おもちゃ、トイレ、首輪、リード、ペットキャリーなどの飼育用品。ブラシやシャンプーなどのお手入れ用品などが必要になってきます。
- 飼い始めてからかかる費用について
お家に迎え入れて必要になるのが、畜犬登録(3000円前後)と狂犬病の予防接種(3500円前後)、混合ワクチン(5000~8000円前後)になります。毎年かかる医療費は、狂犬病予防注射と混合ワクチンに加え、フィラリア薬7カ月分とノミダニ予防薬です。
繁殖の予定がなければ、避妊手術(3~5万円)、去勢手術(2~3万円)も考えておきます。
その他、ドッグフードやペットシーツの消耗品、病気になった時の医療費のことを考えてペット保険への加入などを検討しましょう。
- どこから迎え入れるのか
ジャックラッセルテリアをお迎えする選択肢は3つあります。それぞれのメリット、デメリットがあります。よく考えて自分にあったところからお迎えするのがよいでしょう。
- ペットショップからのお迎え
- ブリーダーからのお迎え
- 里親を希望する
ペットショップでは飼育用品などもお店で全部揃えられるというメリットがあります。ネットでも子犬を探せるので、気になる子犬がいたら問い合わせてみましょう。
さまざまな手続きを代行してくれたり、病院やトリミングサロンを紹介してくれたりします。忙しい方にはとても便利です。
とにかく飼いやすくおとなしい性格のジャックラッセルテリアをお迎えしたい方には、ブリーダーからお迎えすることをおすすめします。
親犬やきょうだい犬を見ながら、ある程度の性格を知ることができます。また、専門家であるブリーダーからの飼育アドバイスも受けられるというメリットもあります。
子犬から飼うのは大変と思う方は、里親になるという選択肢もあります。ぜひHPでチェックして保護団体の主催する譲渡会に足を運んでみましょう。
犬種の特性上、里親になる人には厳しい条件がつくことがあります。どんな理由で保護犬となったかをよく理解して、二度と悲しい思いをさせないよう覚悟をもってお迎えしましょう。
ジャックラッセルテリアの飼い主の本音【飼いやすい?飼いにくい?】
飼いやすいという声
「大きすぎず、小さすぎないので扱いが楽です」
「頭がよくて、飼い主にとても忠実です」
「明るくて、とんでもなく元気!いつも家族を笑顔にしてくれるひょうきん者です」
「病気がすくなくて丈夫、医療費がかからない」
「ドッグスポーツをやるなら、小型犬ではジャックラッセル一択です!」
小型犬とは思えない大物感をもっていることが分かるコメントが多かったです。あれほどのパワーを持っていながら、コンパクトなサイズで扱いやすいのが魅力ですね。元気の塊のようなジャックラッセルテリアに癒される人も多いようです。
ドッグスポーツに関しては中~大型犬を抑えての活躍も期待できる犬種です。アクティブな飼い主さんにとっては最高の相棒になります。
飼いにくいという声
「運動量がものすごいので、散歩が大変です」
「気が強くて、けっこう吠えます。気に入らないことがあると噛みます」
「抜け毛が多いです。短い毛が大量に抜けるので掃除が大変です」
「すぐ興奮するので、抑えるのが大変」
「車やバイクを追いかけようとします」
可愛らしい小型犬という外見からは想像できないパワフルな犬です。特に散歩と運動に時間を取れない方には難しい犬種ですね。
攻撃性と吠え癖は運動不足からくるストレスによって引き起こされます。また猟犬の気質をしっかり理解してしつける事が必要です。
外見からは分かりにくいですが、実は抜け毛の多い犬種でもあります。短毛ですがダブルコートで、やわらかい下毛が換毛期に限らず1年中抜けます。毎日のブラッシングも欠かせません。
ジャックラッセルテリアの可愛い癒し画像集
ジャックラッセルテリアに関するQ&A
【Q1】ジャックラッセルテリアはマンションで飼えますか?
小型犬で飼育スペースもあまりとらないので、マンションでも飼育が可能です。ただ、興奮しやすく吠え癖がつきやすい犬種なので、しっかりとしたしつけが必要になります。たっぷりと運動させることで、情緒が安定して落ち着いてきます。
集合住宅で子犬を迎えたら、周りの住民の方にも挨拶しておくとよいでしょう。
【Q2】先住猫がいます。ジャックラッセルテリアを飼いたいのですが、うまくやっていけますか?
その子の性格にもよりますが、あまりおすすめはしません。狩猟犬としての本能を色濃く残しているジャックラッセルテリアは、猫や小動物にとっては脅威でしかないからです。
普段は大丈夫でも、ふとした瞬間に事故に繋がる可能性があります。猫ちゃんのためにも、他の動物と仲良くやっていける温厚な気質の犬種を選ぶことをおすすめします。
【Q3】ジャックラッセルテリアを飼いたいのですが、オスとメスではどちらが飼いやすいですか?
オスとメスでは基本的な性格の差はなく、どちらも活発で元気いっぱいです。オスの方がやや縄張り意識が強く攻撃的といわれますが、早めに去勢をすることでオスの本能を抑えられることもあります。
飼いやすい性格を重視したい場合は、ブリーダーからの購入をおすすめします。父母犬、祖父母犬の性格を参考に、専門家であるブリーダーと相談してみるとよいでしょう。
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